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46話 盗賊団のアジトへ向かう

 盗賊団の討伐に乗り出した。

 同行メンバーは、俺、リリア、アイシャ、そしてミルカだ。


「ふむ……。このあたりに盗賊団の根城があるはずだったな?」


 俺はそう呟く。


「そうじゃのお。そんなことを言っておったの」


 リリアがそう言う。

 彼女は竜なので、あまり盗賊団にも興味がないようだ。

 いざとなればこの辺り丸ごと凍らせることもできるだろうしな。


「確かに、この一帯は盗賊団が好んで拠点を設けそうな場所ですね」


 アイシャがそう言う。

 彼女は冒険者ギルドの職員として、きちんとした経験と知識がある。

 意外と頼りになる。


「よし。先に進もう。……おい、ちゃんと歩けよ!」


「は、はい……」


 ミルカがそう返事をする。

 ちなみに彼女はまだ全裸だ。

 盗賊団をおびき寄せる餌になる効果を期待してこうさせている。


 靴だけは履かせているが、それ以外は何一つ身につけさせてはいない。

 森の中を歩いているので虫刺されや擦り傷ぐらいは負うかもしれないが、大きな問題はないだろう。

 後で俺の竜の加護を与えてやれば、その効果で多少の傷は治る。

 いざとなれば、アイテムバッグに入れてあるポーションを使ってやらんこともない。


 こいつはこいつで、多少の可愛げはある。

 アイシャがペットだとすれば、ミルカはオモチャみたいなものだな。


「この道で間違いないのか?」


「はい……。この道を真っ直ぐ行くと大きな谷があって、そこを抜ける必要があります」


「ほう」


「アジトは、その先にあります」


「なるほど」


 ミルカの説明を聞いて、俺は納得した。

 さすがに盗賊団の拠点だけあって、少し入り組んだところにあるようだ。

 だが、S級スキル竜化を持つ俺にとっては何の問題もない。

 むしろ、暴れすぎて地形を変えてしまわないように注意しないと。

 いざというときには竜化すればたいていのことは何とでもなるが、死者蘇生や地形変化の修復まではさすがに無理だからな。


「では、行くか」


「うむ。我はアイシャとともに、裏面に回っておこう。取り逃がした盗賊がいれば、始末しておく」


 リリアがそう言う。

 彼女は人族にあまり興味がない。

 S級スキル竜化を持つ俺に対してだけは、例外的に同格の存在と認識しているそうではあるが。

 また、アイシャに対してもペットに対する程度の愛着は持っている。 


「ああ、頼むぞリリア」


 俺はそう言う。

 今回の作戦は、盗賊団の殲滅だ。

 生き残りがいては、後日報復があるかもしれない。

 俺に対する報復であれば返り討ちにしてやるだけだが、俺たちがストレアに戻ってからあの村に対して報復されると面倒だ。

 依頼の達成ミスとみなされて、ランクアップに支障が出る可能性がある。


「ええっと。ではアタシは……」


 ミルカが恐る恐るという感じで言う。


「お前は俺と来い。餌に使えそうだ」


「えっ!?」


 俺の言葉に、ミルカは青ざめる。


「大丈夫ですよ。ライル様の強さを信じてください!」


 アイシャがミルカの手を握って励ましている。

 俺の下僕同士、仲良くなれそうか?


「ほれ! 何をしておる! はよう作戦を決行するぞ!」


 リリアがそう急かす。

 こうして、俺たちは二手に分かれることになった。

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