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43話 強制バンジージャンプ

 村の少女ミルカと交戦中だ。

 多少痛い目に遭わせてやったのだが、彼女はまだまだ戦闘意欲を失わない。

 俺は彼女の心を折る手段を考える。


「ふむ。いいことを思いついたぞ」


 掴んでいた彼女の頭を離し、代わりに足首を掴む。


「ううっ! な、何を……」


 彼女が抵抗するが、もちろん俺の力には敵わない。

 そのまま逆さ吊りにしてやった。


「ぎゃぁああ!」


 ミルカが叫び声を上げた。


「くぅうう! もう許さねえ! 後で覚えていろ!!」


 彼女がそう吠える。

 はぁ……。

 まったく。

 なぜこう、いちいち面倒な手順を踏まねばいかんのかね。

 俺としては穏便に済ませたいところなのだがな。

 ……仕方ない。

 もう少し怖い目に遭ってもらうか……。


「口を閉じてろ。舌を噛むぞ」


「な、なにを……」


「そおいっ!」


 俺は彼女を空高く投げ上げた。

 そして彼女が勢いよく落ちてくる。


「ぎゃぁああああああ!!!」


 彼女はそのまま地面に落下……するわけではない。

 もちろん受け止めてやる。


「【エアークッション】」


 俺はそう唱え、優しく彼女の体を宙に浮かせて着地させた。


「て、てめえ……。こんなことしてただで済むと……」


 少女がこちらを睨んでくる。

 まだ恐怖が足りないか。


「【エアーシュート】」


「ぎゃあ! ああぁーっ……」


 少女がまた空高く射出されていく。

 そして、落ちてくる。

 俺の風魔法でそれを受け止める。

 その一連の流れを何度か繰り返す。


「ぐ……。い、いい加減に……」


 また繰り返す。


「も、もう十分だろ……?」


 繰り返す。


「アタシが悪かった! だからやめてくれぇ!!」


 さらに繰り返す。


「ゆ、許してください。なんでも言う事聞くからぁ! だから、これ以上は勘弁してくれよぉ……」


 ミルカが半泣きでそう言う。

 ふう。

 ようやく折れたか……。

 根性だけは一人前だったな。

 俺はため息をつきつつ、次にすべきことを考え始めた。

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