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41話 少女からのイチャモン

 村長から盗賊団の情報を受け取ろうとしたところ、ガラの悪い少女が口を挟んできた。

 背丈は150センチ程度だろうか?

 年齢は10代前半に見える。

 外見だけなら可愛らしいのだが、先ほど聞いた通り口調はずいぶんと荒々しい。


「お前は?」


 俺はそう問いかける。


「アタシはこの村長の孫娘、ミルカだよ!」


「それで、その孫娘のミルカが何の用だ」


 俺は尋ねる。


「お前たちみたいな弱そうな冒険者に、盗賊団を倒せるとは思えないね!」


 確かに、外見だけならそう思われても仕方ない。

 俺はS級スキル竜化を持っており、かつ闘気や魔力も十分にある。

 しかし体を鍛えているわけではないので、一般の村人からすれば強さに疑問を抱かずにはいられないのだろう。

 リリアやアイシャについても、ある程度は似たようなイメージか。

 外見からは強そうには見えない。


「だから何だ? 万が一倒せなくても、俺たちが死ぬだけだ。お前たちに迷惑は掛けないと思うが?」


 俺の言葉に、ミルカという少女はさらに激昂する。


「ふざけるんじゃねぇ!! アタシたちが依頼したと勘付かれたら、報復に来られるだろうが! アタシたちが求めていたのはちゃんとした冒険者なんだよ!!」


 うーん……。

 確かに、こいつの言うことには一理あるな。


「わかった。なら、俺の実力の一端を見せてやろう。それで強さを証明できれば、盗賊団の情報を渡してもらおうか」


 俺はそう提案した。


「いいだろう……。見せてみろ!」


 ミルカが吠えるように叫ぶ。


「リリア、アイシャ。悪いが少し離れていてくれ」


 俺がそう告げると、二人はすぐにその場から離れた。

 これで、心置きなく戦えるというものだ。


「いくぜ!」


「いつでも来な……」


 俺は両手をポケットに突っ込んだまま、挑発するように答えた。


「ナメてんのか、テメーはぁ!!!」


 ミルカが叫びながら殴りかかってくる。


「ふむ。遅いな」


 俺は手を出さないまま、軽くかわす。


「くそっ! ちょこまかしやがって……」


 その後も何度か攻撃してきたが全て回避した。


「おい、いつまで遊んでんだ! さっさと倒しちまえ!!」


 ミルカの仲間の一人がそう叫んだ。


「うるさい! 今やってるところだろ!!」


 ミルカが怒鳴り返す。


「やれやれ。これでは勝負にもならないな」


 俺は小さくため息をついた。


「舐めんなよぉ!」


 さらに激しく攻撃を仕掛けてくる。

 しかし、全て最小限の動きで回避する。


「チッ。避けるしかできねえのか! 攻撃もできねえ雑魚が!!」


「まだわからんのかね」


 俺は呆れたように呟いた。


「ああ!?」


「実力の差は歴然としているだろう。穏便に済ませてやろうという俺の優しさがわからないのかな?」


 俺はそう言う。

 これ以上やろうというのなら、彼女には少し痛い目にあってもらうことになる。

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