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35話 空
俺とリリアは、空を飛んで目的地の村に向かっている。
俺の背中には女性を乗せている。
やがて、目的地が見えてきた。
「……あれか」
上空からその光景を見て、呟く。
そこは森に囲まれた村だった。
規模は小さく、家々はボロでみすぼらしい。
おそらくは貧しい農村なのだろう。
「村の手前に降りよう。そこから徒歩で近づくぞ」
「了解じゃ。ライルよ」
俺とリリアは地上に降り、竜化状態を解く。
「はあ、はあ、はあ……」
女が、俺の背中から降りると同時に、地面に倒れ伏した。
どうやら体力の限界を迎えたようだ。
「情けないのう」
*****
その後、いろいろあった。




