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300話 5年後-1

「ふぅ……。最近はようやく平和になってきたな」


 俺はそう呟く。

 聖竜帝国は、周辺諸国との戦争に明け暮れていた。

 最も戦闘が激化していたのは、今から5年ほど前だったか……。

 ルーシー、レスティ、ロゼリアあたりの妊娠が重なり、聖竜帝国の戦力がガクッと低下したのが原因だ。

 一時、防衛ラインを下げたりもして……。

 あの時は結構ヤバかったな。


「束の間の平和ってやつじゃないか? 油断は禁物だぜ、ライル様」


 ルーシーが俺に警告する。

 俺たちは今、王宮の中庭にいた。


「大丈夫さ。あれから、妊娠のタイミングには気をつけているし……。それに、子どもたちもそろそろ戦力として数えられるレベルだ」


「あたいは心配だけどな……。一番の年上でも、まだ7歳だろ?」


「サティと……ミラのことだな」


 俺は我が子の名前と姿を脳裏に浮かべる。

 長子は、山娘サテラに生んでもらったサティだ。

 竜化スキル覚醒後の俺が初めて訪れた村で致したときの子だな。

 山の民の血を受け継いでいるためか、肉弾戦メインで野性的な戦い方をする。


 次子は、村娘ミルカに生んでもらった女児だ。

 名をミラという。

 こちらは、魔法使い系の才能を持っているようだ。

 最近では母親ミルカと共に、魔法の修練に励んでいると聞いている。


「ああ。2人はしっかりものだけど、実戦投入は早いんじゃねぇか?」


「確かに2人とも、まだまだガキンチョだ。成人の儀によるスキル獲得もまだだな。だが、かなり強いぞ」


「へぇ?」


「特にサティはヤバい。修練場を遊び場と思っているのか、毎日のように騎士連中をボコボコにしているらしい。しかも素手で」


「……まぁ、ライル様の血を引いているしな。当然と言えば当然だ」


 ルーシーが頷く。

 そして、彼女は言葉を続けた。

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