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296話 披露宴-4

「ライル様……。あたい、みんなが死ぬところはもう見たくないぜ……」


「ルーシー……」


 ライルはルーシーを抱きしめる。

 そんな2人を見て、バリオスはため息をついた。


「ふん……。お前たちが結婚した今、義理とはいえそやつは余の娘となっている。余の娘を泣かせるな、愚息よ」


「…………」


 ライルがバリオスを睨む。

 どの口でそれを言うのか……。

 そう言いたげな目だ。

 だが、ライルはそれ以上の文句を言わなかった。


「お兄ちゃん……」


「……分かっているさ、ガルド」


 ライルは頷き、手を前に出す。

 すると、バリオス、ガルド、ルーシーの3人が手を上に重ねた。


「俺たちは王族だ」


 ライルが宣言する。

 ブリケード王国の前王、バリオス。

 ブリケード王国の元第二王子にして、現女王のガルド。

 ブリケード王国の元第一王子にして、聖竜帝国の初代皇帝であるライル。

 元はただの村人だが、ライルと結婚したことで聖竜帝国の初代王妃となったルーシー。

 それぞれの顔には覚悟が浮かんでいた。


「愚民どもを守り抜くのが俺たちの役目だ」


 ライルの言葉に、3人が頷いた。

 そして、彼らは誓い合う。


「ここに改めて宣言する。聖竜帝国とブリケード王国は、手を取り合って大戦を乗り越える」


「うむ。周辺国家全てを敵にした今、打ち勝つことは容易ではないが……」


「俺たちが力を合わせれば、きっと乗り越えられるさ」


「あたいも全力で協力するぜ!」


 ライル、バリオス、ガルド、ルーシー。

 そして、レスティやロゼリア、他の者たちも……。

 彼らは頷き、互いに笑い合った。


「いろいろあったな……俺たち」


「そうだな。ありすぎたぐらいだ」


 ガルドの言葉に対し、ライルが答える。


「ガルドさん……あんたは最低最悪な奴だったよ」


「なにぃ?」


「だってそうだろ? あたいのことを強姦した上、殺すなんて……。まさに鬼畜外道じゃないか」


「うぐっ……。む、昔のことを持ち出されると弱いな……」


「くく……。我が義理の娘よ、もっと言ってやるがよい」


「父上まで……。ったく……」


 顔を引きつらせるガルドに対し、ルーシーとバリオスが笑う。

 そんな3人につられて、ライルも笑った。

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