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276話 ライルとの思い出 ルーシー 2

『へへっ。みんな、ライル様に感謝しているぜ。以前の恩もあるし、このリトルボアの肉もおいしいしな』

『そう言ってくれると俺も嬉しい。治療して匿ってくれた恩を、少しでも返せたのなら満足だ』

『ああ。ずっとこの村に居てくれてもいいんだぜ? ライル様』


 この頃には、ライルはすっかり村の一員となっていた。

 だが、そんな日々も長くは続かなかった。

 ライルの弟ガルドによって村人は惨殺され、ルーシーは強姦の末に殺害されたのだ。


「あの人はとんでもない悪人だ。でもよ……ライル様まで悪に堕ちちまったら、あたいは……」


 ルーシーの目から涙がこぼれる。

 ライルはエリクサーを完成させるため、数多の人々の命を奪った。

 その魂を凝縮させ、ルーシーを生き返らせたのだ。

 彼女の脳内には、今も人々の嘆きの声が響いている。

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