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263話 vsライル-2

「ちっ……! 硬ぇな!!」


「あ、危ない!」


「へ? ――うおおおぉっ!?」


 ガルドが舌打ちをした瞬間、彼がいた場所に向かってライルが爪を振り下ろした。

 アイシャの声により、ガルドは何とか回避行動を取る。


「ライル様を無力化するしかない! そうすれば、きっと元通りになってくれるはずだ!!」


「でも、どうやって!? 私たちじゃ……」


 ミルカの言葉に、サテラが反論する。

 竜の加護で強化された彼女たちは強い。

 だが、それはあくまでも一般兵や冒険者に比べての話である。

 加護を与えた張本人――ライルを倒すとなると、心許ない戦力だ。


「任せてください! こんなこともあろうかと! 商会の力を利用して、切り札を用意していました!!」


 商会長の娘スピカが叫ぶ。

 彼女の言葉に、ミルカたちは期待のこもった視線をスピカに向けた。


「スピカさん、切り札とは一体……?」


 サテラが尋ねる。

 そんな彼女たちの背後から、大きな壺を持った一般兵たちが現れた。

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