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248話 竜の加護-1

「ほ、ほら! お兄ちゃんがエリクサーの素材にした奴らの声じゃないか!?」


「ん?」


 ガルドに言われて、俺は記憶を探る。

 そういえば、確かにそんなことをした気がするな。

 エリクサーの最後の仕上げに、俺は手こずってしまった。

 そこで、血ではなくて人々の魂を直接的に素材としてエリクサーを作製したのだ。

 素材となった奴らの魂の残滓が、ルーシーを苦しませているということだろうか?


「そうなのか?」


 俺はルーシーに尋ねる。

 彼女は頷いた。


「たぶん……そうだと思う。たくさんの人が『死にたくない』『外に出たい』って言ってるんだ。頭の中に……声が響いて……」


「なるほどな」


 俺は納得する。

 素材になった時点で、もう奴らの命運は尽きているというのに……。

 魂だけの状態になっても、意志を残しているのか。

 害虫のようにしぶとい連中だ。

 ルーシーは優しい娘だから、そんな彼らの魂を放っておけないんだろう。


「そうか……」


 俺はルーシーに顔を近づける。

 彼女はビクッと震えた。

 どうしてそんなに怯えるのだろう?

 ガルドのカスとは違って、俺はこれほどまでにルーシーのことを愛しているのに……。


「俺から『竜の加護』を授ける。そうすれば、そいつらの声は気にならなくなるはずだ」


「本当……?」


 ルーシーは首を傾げる。

 俺は頷いた。

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