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246話 踊り

「ほっ、ほっ! ほら、俺はこんなに無害なんだ! なぁ!? 見てくれよ、平民女!!」


 ガルドは踊りながらルーシーの周りを回る。

 ただの踊りじゃない。

 全裸で胸を揺らしながらの踊りだ。

 とても滑稽な姿である。


「う……うう……」


 ルーシーは顔を覆ったまま、涙目で唸っていた。

 まだガルドの無害さが十分に伝わっていないように見えるな。

 言葉でも説明しておこう。


「ガルドはこの通り、完全に俺の支配下にある。そして、股間を見れば分かる通り去勢済みだ。ただ性器を失った男というだけでなく、エリクサーの副作用によって女体化してしまっているんだ。これで少しは無害さが伝わっただろうか?」


 俺はルーシーに聞く。

 すると、彼女はフルフルと首を横に振った。


「そうか。やはり、ガルドにされた悪魔の所業を忘れることはできないか……」


 俺の中で、ガルドの殺害が確定事項となる。

 それを察したのだろう。

 ガルドが目に見えて狼狽した。


「ま、待ってくれぇ! お、俺が悪かったってぇ!!」


 ガルドが泣き叫ぶ。

 そんな彼女の顎を掴んで顔を近づける。

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