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226話 戦後

「くっくっく。ナタール連邦も、存外にあっけないものだな」


 俺は口元を歪めて笑う。

 ナタール連邦は滅亡した。

 いや、正確に言えば俺たちによって征服された。


「な、なぁ……お兄ちゃん」


「どうした? ガルド」


 俺の隣で、ガルドが青い顔で尋ねてくる。

 彼――いや彼女は、媚びへつらうような態度で、俺の機嫌をうかがう。


「俺、ちゃんと頑張ったよな? だからさ、いつものアレはもう中止でいいよな?」


「あぁ。アレか……」


 ガルドが言っているのは、定期的に与えているお仕置きのことだ。

 俺からこいつへの恨みは、少しばかりボコったぐらいで解消されるようなものではない。

 本当は、24時間365日ぶっ通しで拷問責めをしたいぐらいだが……。

 A級スキル【剣聖】持ちの彼女とはいえ、耐久性には限界がある。

 そのため、ちょっとした拷問を定期的に与えるようにしていた。


「そうだなぁ……。前は鞭打ちして、その前は剣山の上で正座させて、その前は爪の間に針を刺したっけか? 水責めにしてやったこともあったな」


「あ、あぁ。アレはもういいだろ? なっ? 俺はお兄ちゃんに忠誠を誓っているんだ。ナタール連邦を潰すときも、ちゃんと王たちを服従させてみせたじゃないか」


 ガルドが、媚びた笑みを浮かべて言う。

 まあ、確かにそうだ。

 俺たちはナタール連邦を潰したが、国家としての基盤を全てぶっ壊したかったわけじゃない。

 特殊素材『紅血の水晶石』を作りがてら、連中の戦意を挫くために大量虐殺しただけだ。

 決して皆殺しにはしていない。

 戦後の統治を円滑にするために、王たちもある程度は生かしておくつもりだった。

 ガルドがその任務を無事に達成したことは事実である。

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