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206話 ライル一行vs連合軍-1

「はっはぁ! やっぱりこの町にいやがったんだな! ライル!!」


「……」


 俺は目の前に立つ青年を睨みつける。

 全身鎧に身を包んでいるものの、その隙間からは鍛え上げられた肉体が見え隠れしている。


「久しいじゃないか、ガルド。しかし、まさかお前が生きているとは思わなかったぞ」


「はん! あの程度で死ぬ俺じゃねぇってことだ! なにせ、俺にはA級スキル【剣聖】があるんでね!! はーーーっははははは!!」


 そう言って高笑いをするガルド。

 相変わらず鬱陶しいな……。


「ところでよ、ライルがスキルに覚醒したってのは本当なのか?」


「さぁ? 戦って確かめればいいんじゃないか? その【剣聖】を使って」


「ちっ……。そういう態度を取るか……。まぁいいさ。どの道、力づくで連れ帰るだけだ。お前以外を皆殺しにしてでもなぁ!!!」


 ガルドが剣を抜く。

 そして、それを天に掲げた。


「いくぜっ! 野郎ども!! 俺に続けぇー!!!」


「「「うおおおぉぉ!!」」」


 ガルドの号令に合わせ、ブリケード王国軍とナタール連邦軍が動き出す。

 とにかく人数が多い。

 S級スキル【竜化】を持つ俺でも、少しばかり面倒な相手だ。

 羽虫1匹ならどうでもいいが、1000匹で襲ってこられるとイラっとする。

 ――まぁ、特に問題はないけどな。


「ふむ。あの一角は余に任せるがよい。――【アイス・エイジ】」


「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 リリアが右手を掲げると、地面に巨大な魔法陣が浮かび上がった。

 そして、そこから溢れ出した冷気が瞬く間に周囲の兵を凍らせていく。

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