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204話 生きていたガルド

「――生きていたのか、ガルド」


 ガルド・ブリケード。

 俺の弟だ。

 A級スキル【剣聖】を持つ彼は、戦闘能力に秀でている。

 1年程前に俺を追放した際には、その剣技を悪用してルーシーたちを惨殺した。

 その後、S級スキル【竜化】に覚醒した俺がぶっ殺してやったはずなのだが……。

 やはりA級スキル持ちといったところか。

 殺したはずなのに死んでいなかったとは。

 まるで害虫のようなしぶとさである。


『第一王子ライル! この町にいることは分かっているぞ! 自由に動ける状態なら、自分から出てくるがいい!!』


 ガルドがそんなことを叫ぶ。

 おいおい……。

 ずいぶんと乱暴な口調じゃないか。

 今回の名目は、『失踪し記憶喪失となった第一王子ライルの保護』だったはずだ。

 いくら失踪中とはいえ、第二王子が第一王子に対してそんな口調で話しかけるのは不自然だろうに。


『1時間待つ! 1時間待っても出てこない場合、悪意ある何者かに身柄を拘束されていると認識する! ストレアを制圧したのち、捜索を開始させてもらう! なお、その際に出た死傷者や建物の被害については知ったことではない!!』


「……」


 なんとも勝手な言い草だ。

 ナタール連邦という他国に出向いて、自国の失踪した(という名目)の第一王子を捜索するために1つの町を脅し、場合によっては武力制圧をするなんてな。

 無茶苦茶すぎる。

 まぁ、これが通るほどにブリケード王国とナタール連邦の国力差があるということなのだが……。

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― 新着の感想 ―
[一言] もうこの弟は徹底的に痛めつけて絶望させながら死滅させるべきだと思います。
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