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195話 Aランク昇格

「ああ、頼むよ。『紅血の水晶石』を入手するためには、戦力が必要だ」


「戦力が必要ってことは……ドラゴンでも倒せばいいのか? ご主人」


「違うな。個として見ればそれよりも弱いが、集団で連携してくる厄介な相手だ。俺ですら、油断をしていたらマズイことになるかもしれない相手だ」


「なにっ? い、一体どんな相手が――」


「待て。続きは後だ」


 俺はレスティの言葉を遮る。

 ドタドタドタッ!

 バーン!!

 ノックもなしに、部屋の扉が開いた。


「失礼する! ライル君がここにいると聞いたが!」


 入ってきたのは中年の男性だ。

 ストレアの冒険者ギルドのギルマスであり、アイシャの父親でもある。

 彼は俺を見るなり、詰め寄ってきた。


「なんだ? 騒々しいな。勝手に人の部屋に入っていいと思っているのか?」


「そ、それどころではない! 大変なことになったのだ!」


「どうしたと言うのだ? 最初から詳しく話せ」


 俺は首を傾げる。

 わざわざここまで来て焦っているということは、相当に切羽詰まった状況のようだ。


「先日のシルバータイガー討伐を受け、ライル君の冒険者ランクはAに昇格したことは伝えた通りだ。そして、高ランク冒険者の情報は各地の冒険者ギルドと共有される……」


「ああ。それで?」

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