表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

186/307

186話 空の旅

「『殺さないでくれ』だって? まだそんな生意気な口調を使う余裕があるじゃないか」


「ち、ちがっ……! アタイはそんなつもりじゃ――」


「ほら、空の旅行を楽しんでこい」


 俺はそう言って、シャオの頭部を思い切り空へ放り投げた。


「ちょっ……! あ……あ……!! ぎゃあああぁあぁぁあぁあ!!!!」


 凄まじい速度で飛んでいくシャオの頭部。

 俺の生命維持魔法は発動したままだし、頭部だけになったとはいえ彼女はBランク冒険者だ。

 これぐらいで死ぬことはない。

 もっとも、そのまま地面に落下すれば衝撃で死ぬだろうが。


「――【エアークッション】」


 というわけで、俺はその頭部を風魔法で受け止めてやる。

 懐かしいな。

 かつて、俺に生意気な口を聞いてきた村娘ミルカもこうして調教してやったんだ。


 そんなミルカも、今や俺の子を生むまでになった。

 シャオも、ちゃんと更生するようであれば俺の子を生む栄誉を与えてやらんでもない。

 俺はそんなことを考えつつ、無事に地上へと戻ってきたシャオの頭部へと声をかけた。


「気分はどうだ? 空を飛んだ感想は?」


「ぜひゅっ……はぁ……はぁ……」


「俺を無視するとはいい度胸だ。死にたいらしい」


「ま、待ってくれ!! いや、待ってください!!!」


 シャオは慌てふためきながら懇願する。

 ……ふむ、なかなか悪くない反応だな……。

 一度だけの空の旅で、ちゃんと口調が直っているようだ。

 俺は満足げに微笑みながら、質問を続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ