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184話 脅しの道具じゃない

「俺を刺すつもりか? それとも、これで脅しているつもりなのか?」


「へへっ! ビビっているようだな? アタイとの実力差を認めるんなら、この剣を引っ込めてやってもいいぜ?」


 勝ち誇ったように言うシャオ。

 実際、首筋に剣を突きつけられた状態から逆転することは不可能だ。

 ――よほどの実力差がない限りは、だが。


「人に剣を向けたのなら、命をかけろよ?」


「……は? 何を言って……」


「それは脅しの道具じゃないと言っているんだ」


 俺は右手で剣を抜き――彼女の首を切り飛ばした。

 宙を舞うシャオの頭部。

 まだ意識は残っているらしく、目がキョロキョロ動いているところを見るに即死ではないようだ。

 まぁ、胴体と頭部が切り離されてしまっては、いくらBランク冒険者とはいっても数秒後には死んでいるだろうが。


「よっと」


 俺は落下してくる頭部をキャッチし、その場に倒れそうになっている体も支えてやる。

 それぞれの切断面からは激しい出血があり、放っておけばまもなく死ぬだろう。

 だが、そうするつもりはない。

 こいつにはシルバータイガー狩りを手伝ってもらわないといけないからな。


「――【仮初の命】」


 首から上を失った状態ではあるものの――死んではいない彼女に回復魔法をかけてやる俺。

 ただし、これは完全な回復魔法ではない。

 頭部と胴体が繋がっていない状態のまま、数分程度なら意識を保ち続けることができるというだけものだ。

 俺は手に持ったシャオの顔を覗き込み、ニヤリと笑ったのだった。

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