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179話 調教力

「よしよし、偉いわね。ほら、言ってみなさい? 『雌豚を調教していただき、ありがとうございます』って」


 キーネの命令に対し、メスタはしばらく震えていたかと思うと――意を決したように口を開いた。


「……め……雌豚……を……ちょ……調教して……いだだ……いただいて……ありがとう……ございます……」


 途切れ途切れではあったが、何とか言い切ることができたようだ。

 ……にしても凄い顔だな……。

 なんでそこまで悔しそうなのだろうか……?

 プライドを傷つけられたとか考えているのかな……?

 元々そんなに大層なもんでもないと思うんだが……。


「では、次はお前にオムツを履かせる。早く脱いでお尻を出しなさい」


 命令されたメスタの顔が青ざめる。

 当然だろう。

 今まで散々な目に遭ってきたとはいえ、主に痛み方面のものだった。

 かつての後輩にオムツを履かされるとなると、また別種の屈辱があるに違いない。

 躊躇う様子を見せるメスタであったが、やがて観念したのか仰向けに寝転び足を開いた。


「こ、これでよろしいでしょうか……?」


 不安げな声を漏らすメスタに対して、キーネは言う。


「全然ダメね。もっとちゃんと開きなさい」


 彼女の言葉にますます青くなるメスタであったのだが――彼女は素直に従う。

 よほどムチがトラウマになっているのだろう。


「はっはっは! 従順になってきたじゃないか。キーネの調教力も大したもんだ」


 思わず感嘆の声を上げる俺。

 キーネの方もまんざらでもなさそうな様子だ。

 そんな俺たちの様子とは対照的に――メスタは静かに涙を流している。

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