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167話 ムチ

「ブヒッ! ……くっ! な、何をするんだ!」


「ん? 雌豚に相応しい対応をしているだけだが?」


 俺はメスタの背中に足を載せる。

 なかなかの弾力だ。

 これはいいクッションになるかもしれんな……。


「や、やめろぉ!」


 メスタが抵抗しようとする。

 村で奴隷として飼われ続けていたのに、まだ精神が折れていないのか?

 精神力だけは悪くないかもしれない。


 ――いや、こいつの場合は学習能力がないと言うべきか?

 奴隷の分際でこのような態度を取ってしまうと――


「ちっ! ライルさまに反抗的な態度をとってんじゃねぇよ! この雌豚がっ! オラァアアッ!!」


 バシイイィン!!!

 強烈なムチの音が室内に響く。

 ミルカが鞭を振るったのである。


 さすが竜の加護持ちといったところか。

 目にも止まらぬ早業である。

 凄まじい速度で振るわれた一撃により、メスタの背中の皮が大きく裂けてしまった。

 血が滴り落ちるほどの大ダメージだ。


「うぐっ!? あひぃぃぃいっ!?!?」


 あまりの痛みに絶叫を上げるメスタ。

 しかしミルカの攻撃はまだ終わっていない。

 そのまま何度も何度も叩き続ける。

 パシィンッ!!

 バチィーンッ!!

 バッチィイーンッ!!

 容赦のない連続攻撃によって、どんどん背中の皮を剥いでいく。

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