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163話 匂い

「こらこら、その手を離さないか」


「む~!!」


 俺が優しく語り掛けると、赤子はさらに強く引っ付いてきた。

 そして、俺の胸に顔を押し付けると、そのまま息を大きく吸い込んだ。


「すううううう」


「はわわわ!! ライル様の匂いが嗅がれています!」


「お、おい!! やめろ!! 何をやってんだ!!」


 慌てるサテラとレスティをよそに、俺は冷静に対応する。


「大丈夫だ。何も心配はない。俺の体臭を気に入るなんて、見どころのある赤子だ。気に入ったぞ」


「は、はぁ……」


「アンタは乳飲み子にまで手を出すつもりなのか……?」


 サテラとレスティがドン引きした視線を向けてくる。


「そんなわけないだろう。将来は良い戦士になれそうだと思っただけだ。――ほら、高い高いをしてやろう」


「きゃっきゃっ!」


 俺が持ち上げてみせると、赤子は嬉しそうな声を上げた。

 そのままグルングルン回転させてみる。


「あはははは! あい! うふふふ!」


 赤子は楽しそうだ。

 やはり見どころがある。

 と、その瞬間、家の奥から気配を感じた。


「ライルさま!」


 ミルカが駆け寄ってきた。

 その表情には隠しきれない喜びの色が溢れていた。

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