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154話 上から

 俺たちが現在拠点としているストレアの町が属する国とブリケード王国の国境が見える。

 隣国同士なので多少の諍いはあるものの、ここ数十年ほどは大きな戦争は起きていない。

 せいぜいが、領土問題を巡る小さな争いがある程度だ。

 それも、最近になってようやく収束し始めているらしい。


「おお、あれだな」


 眼下に目的地が見えてきた。

 ミルカという少女がいる場所だ。


「よし、到着だな……って、大丈夫か?」


「う……うぅ……」


 声がしたので振り返ると、レスティがボロ雑巾のような有様になっていた。

 顔色は真っ青で、ガクガクと震えている。


「はは……まさかここまで速いとは思わなかったぜ……」


「キーネに続いてお前もか。気絶しなかっただけマシとはいえ……。紅猫族の名が泣くぞ?」


「…………」


 レスティは反応を示さない。

 おかしいな?

 まだまだ生意気で心が折れていない彼女ならば、突っかかってくると思ったのだが。


「レスティ?」


「うっぷ……!」


「!? ちょ!?」


「おろろろ……」


 レスティは口を手で押さえたかと思うと、そのまま吐瀉物を吐き出してしまった。

 竜化状態の俺の背中に、だ。

 彼女のゲロの生暖かい感触が俺を襲う。


「くそ! 汚ねえ! 何してんだよ!」


「うぅ……。酔っちまって我慢できなかった。す、すまねぇ……」

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