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151話 垂れ流すのが嫌なら

「どうされましたか?」


「何が起きたんだ?」


 キーネたちが首を傾げる中、当人であるレスティだけはその正体を理解しているはずだ。

 彼女は震えながら自身の下腹部を押さえた。


「くぅっ……くぅっ……」


 俺の目の前では、お腹を抱えて苦しむレスティの姿がある。

 彼女は息も絶え絶えといった様子だ。


「人族め、アタシに何を……」


「意思の強いお前のことだ。どうせ諍いを起こすと思ってな。お前が意識を失っている間に、魔導具を埋め込ませて貰った」


「なっ!?」


「俺が魔力を込めれば、お前は腹痛に襲われるという仕組みだ」


「ぐ、ぐうっ!! 人族の分際でなんてことを!!」


 レスティが悔し気に表情を歪ませる。

 だが、どうしようもあるまい。

 たとえ万全の状態であっても、S級スキル竜化を持つ俺には勝てない。

 ましてや、便意を堪えながらでは尚更だ。


「さぁ、皆の前で垂れ流すのが嫌なら……分かるな?」


「ち、ちくしょう……」


 レスティが諦めたような声を上げる。

 そして、皆に向けてゆっくりと頭を下げる。


「新しく仲間になったレスティだ……。仲良くしてくれ」


「はい! 分かりました!」


「よろしくお願いしますね」


 素直になったレスティは、スピカやサテラに快く迎え入れられた。

 どこか同情しているような雰囲気があるのは気のせいだろうか?

 まぁいい。

 こうして俺は、新たな戦力をパーティに加えることに成功したのだった。

 次は……ミルカでも迎えに行ってみるか。

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