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149話 獣人

「聞いていなかったのか? 俺は違法奴隷商人の一派を壊滅させた。彼女――レスティはその戦利品さ。ついでに、彼女の母親も確保している。そちらは、体力の消耗が激しかったため上で寝かせているがな」


 俺はなんと優しいのだろうか。

 ついでとは言え、レスティの母親の命を救ったばかりか、面倒まで見てやっている。


「は、はい! もちろん聞いておりました! ただ……」


「ただ?」


「いきなり獣人を仲間に加えると言われましても、正直戸惑いを隠せないといいますか……。獣人は荒っぽいですよ? 隷属の首輪をはめた状態でさえ、単純な力仕事ぐらいしか任せられません」


 アイシャがそう指摘する。

 獣人が人族と比べて荒っぽいのは確かだ。

 だが、単純な力仕事しかできないというのは偏見だと思う。

 実際、ブリケード王国ではそれなりの要職に就いているのを見たことがある。


 ――ああ、いや。

 そういえば、この国では獣人に対する風当たりが酷かったか。


「確かに、アイシャさんの言うことにも一理あるかと思います!」


「私の村でも、十年以上前には獣人の村と諍いがあったらしいです」


 スピカとサテラがそのようなことを言い出す。


「……レスティを仲間に加えるのは、俺が決めたことなのだが?」


「だ、だからこそです。ご主人様が不要なご苦労をされないよう、今のうちに忠言をしたいのです」


「そうですぜ! 獣人なんかと一緒に行動したら絶対揉め事が起きます!」


 キーネやそのパーティメンバーの男たちまでもが同調し始める。

 この国の獣人差別は根強いな。

 違法奴隷商だけではなく、冒険者ギルド受付嬢、商会頭取の娘、村人、冒険者たちにまで浸透しているのか。

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