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138話 違法奴隷商一派を壊滅させる

(弱すぎだろ……。本当にこれで元B級冒険者なのか?)


 いや、俺が強すぎるのかもしれない。

 そこらの盗賊の戦闘能力を1とすれば、頭領は2。

 そして俺は1万といったところか。

 アリ同士の強さの差異など、S級スキル竜化を持つ俺からすれば些細な違いである。


「グオォォオオン……」


 俺はひと鳴きしてから、他の構成員たちに視線を向ける。

 すると、奴らは顔を青くして一歩後ずさった。


「りゅ、竜がこっちを見た!」


「俺らごと吹き飛ばすつもりじゃ!」


「ああ、そうに違いない!」


「逃げよう!」


「だ、だけどよう。出口はあっちにしかないぞ」


 男たちが俺の背後に視線を向ける。

 このアジトの機密性を確保するためか、出入り口は1箇所しか存在しないようだ。

 つまり、奴らに退路はない。


「グオォォオオン!!!」


 俺は再び一吠えし、手近にいた男を捕まえる。

 そして、力任せに振り回した。


「うわぁぁぁっ!」


 ドゴォンッ!!

 地面に激突し、男は死亡した。

 即死だ。

 俺は死んだ男を放り捨てると、次の男に狙いを定める。


「ぎゃあああぁっ!」


「ひぃぃっ!」


「うわああぁっ!」


 男たちが次々に倒れていく。

 奴らが悲鳴を上げなくなるまで、それほど時間はかからなかった。


(さて……、残ったのは違法奴隷商のみか)


 最後の一人は、檻に閉じ込められた少女の前で尻餅をついていた。


「お、お前……、儂らに何の恨みがあるのだ!?」


 その言葉を聞いた瞬間、俺はなんとも言えない気分になったのだった。

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