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127話 弾けて混ざれ

「ひ、ひっ! 離してくれ! 頼む! 俺はまだ死にたくないんだ!!」


「せっかく燃えている仲間がいるのだから、お前も一緒に心中すればいい。お前たちは仲間だろう?」


「なにいぃっ!? うわああぁっ!」


 彼を掴み上げ、3人の方へ放り投げた。


「「「お前も道連れだああぁっ!!!」」」


「ぎゃあっ! やめてくれ! やめて……ああぁっ!」


 ボォッ!

 3人が彼を囲み、火が移っていく。


「ぎゃあああぁっ!!!!」


「「「あはははははっ!」」」


 燃え盛る炎の中、彼らは笑っていた。

 熱さと激痛でそれどころではないはずだが……。

 死を間近にして、正気を失っているのだろう。


 放っておいても、いずれは死ぬ。

 全身の火傷、あるいは酸欠によって。


 だが、これほど愉快なダンスを見せてくれたのだ。

 最後くらい、派手に逝かせてやろう。

 俺は発動済みで部屋の中に浮かんでいる『プロミネンス・ボール』に意識を向ける。


「【弾けて混ざれ】っ!!!」


 俺が火球の中に魔力を注ぎ込んだ途端――

 激しい爆発音とともに部屋全体が火の海になった。


「……かっ……あ……」


「ぎゃっ……」


 チンピラたち4人は、まともに悲鳴すら上げられずに消し炭になって絶命した。


「ふん。汚ねぇ花火だ」


 俺はそう呟く。

 とはいえ、チンピラの最期にしては上々のものだったから。

 ゴミクズでも、最期に俺を少しだけ楽しませることができたのだ。

 感謝してほしいくらいだ。


「それにしても……。我ながら、素晴らしい魔法制御力だな」


 S級スキル竜化を持つ俺の戦闘能力は抜きん出ている。

 身体能力をフルに発揮すれば、人体など木端微塵になる。

 全力で魔法を放てば、そこらの町など灰燼と化すだろう。

 ほどほどに威力を抑えたとしても、数件程度の家が廃墟となる威力は出してしまう。

 だが、目の前の光景はどうだ?

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