表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

113/307

113話 引き継ぎ

 俺は冒険者ギルド職員のアイシャの協力を取り付けた。

 彼女は後輩らしき女性に全ての仕事を引き継ごうとしている。


「ですから、私はライル様のお手伝いをします。しょうもない仕事はあなたで処理しておきなさい」


「い、いきなりそんなことを言われても困ります……。わたしにも他の仕事が……」


「はぁ? 私の指示に逆らうっていうんですか?」


 アイシャは俺にいいところを見せたくて仕方がないのだろう。

 さっきから強引すぎる。


「おい、アイシャ。あんまり無理を言ってやるなよ」


「あ、あなたはBランク冒険者の……。あなたからもアイシャ先輩を説得をしてください!」


 女職員が助けを求めるように俺を見つめてくる。

 ギルド職員同士の職位は知らないが、確かアイシャはギルマスの娘だったはずだ。

 戦闘能力もそこそこある方だと聞いている。

 それなりのお偉いさんなのだろう。


「な? 彼女もこう言っていることだし、無理強いは良くないぞ」


「ですが……。ライル様のお手伝いに万全を期するためには必要なことで……」


「ああ、それは分かっているさ。俺が言いたいのは、アメとムチの使い方の話だ」


 今のアイシャは、ギルド職員の先輩として強権を振りかざしている。

 ムチしか使っていない状態だ。


「なるほど。では、引き継いだ仕事を無事に完遂したら、私の権限の範囲であなたの待遇を引き上げてあげましょう」


「そ、それはありがたいことですが……。しかし、そもそもこれほどの量の仕事は……。毎日仕事漬けになっちゃいますよぉ。特に、スラムの違法奴隷商の摘発なんてわたしには……」


 後輩ちゃんがなおもごねている。

 これが男なら、毎日遅くまで仕事してでも成果を出せと言いたいところだが。

 女性に対し、それは酷かもしれないな。


 ――ん?

 女性、か。

 なるほど。

 ここは――。


「よし。そういうことなら、俺からも見返りを出そう」


「ライル様? しかし、ライル様のお手を煩わせるわけには……」


「まぁ、任せてくれ」


 俺は笑顔で答えた。


「あのー。わたしには何が何だかさっぱり分からないのですが」


 戸惑っている後輩ちゃんに、俺は微笑みかけた。


「大丈夫。すぐに分かるさ」


 俺の笑みの理由が分からず困惑している彼女に近づく。

 そして、スカートをたくし上げた。


「きゃっ!? な、何をするのですか! こんなところで!」


 突然のことに驚き、顔を真っ赤にする後輩ちゃん。

 パンツ越しに、彼女の股間に触れた。


「ひゃうんっ」


 ビクッと身を震わせながら甘い声を漏らす。


「これが報酬だ。特別に前払いしてやろう」


「あっ、あっ、だめです、ダメ……」


 後輩ちゃんは弱々しい抵抗を試みていたが、最後には納得してくれた。

 やはり、人を動かすには適切な報酬が必要だな。

 こうして俺は、アイシャの仕事を後輩ちゃんに引き継がせることに成功したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ