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マーメイドスパイラルジェットMSS  作者: 亜井下茶女
8/9

、、インディーズ、デビュー、、


この日、ナミと乙羽はMSSにやって来ていた。

「練習場所ってどこ?」

虎雄は、奥のカーテンを開ける。

「ジャーン、ステージ風にしてみました。」

ドラムセットとキーボードの前にマイクスタンド。

「ギターは、これを使って、」

「これ、ランダムスターじゃない!」

「これって、変人が使うやつじゃん!」

「いやいや、カッコだけでもこれでいいの、赤と青にしました。」笑

「えーと、わたしブルーで、」

「ナミちゃんズルい、わたしもそれが良かったな、」

「まぁまぁ、二人とも音出して、」

「大丈夫、迷惑しないかは?」

「大丈夫、ここは防音壁がしっかりしているから、ジェットエンジンでも外に音は漏れない。」

「ふぅーん、そうなんだ!」

「それじゃ、練習しよっ、オトちゃん、」

「うん、わかった。ナミちゃん」

二人は、ギターのチュウニングを始める。

「それじゃ、やってみようか、ナミちゃん」

「まずは、イントロから、」

軽快にギターを弾く二人。

「うん、二人、息が合ってきたみたいね、」

「若いっていいな~そう思うだろう、玉子」

「わたし今でも若いです。」

「まぁそういうことにして、俺たちも行くか?」

トラオはドラムへ、玉子はキーボードへと、、

二人は、ナミとオトハの演奏に合わせていく。

初めてにしては、息の合ってる四人であった。


次の日もナミと乙羽は、ギターの練習に来る。

「二人、こっち来て、これに着替えて、」

「えっ?なんかのコスプレ!」

「違うよ、Uフォリスのステージ衣装だよ、」

「えーっ、誰の趣味?」

「はい、僕です。コスプレ仲間に頼んで、特注品だからね、」笑

「はいはい、文句を言わずに着替えて、今日はPV撮影だから、」

「PV撮影って、どこで?」

「着替えたら、弓ヶ浜へ行くよ、」

「えぇ~海で、、」

二人は、文句を言いながら着替える。

皆んなは、弓ヶ浜に向かう、、、

「それじゃ、ギターを抱えて、海をバックに撮影するから、」

二人は、渋々砂浜でポーズをとる。

「トラオ、カメラ回して、」

「了解、音は入れないで撮るから、」

「それじゃ、曲を流すから、それに合わせて、」

「はーい、はい、」

二人は、最初は嫌がっていたが、乗ってきたのか、スター気取りで踊りだす。

知らぬ間に観客が増えていた。

映画の撮影かと勘違いしてる者も、見物人が増えてきたので、みんなは撤収することにした。

そしてMSSに帰る。

「後の編集は、僕の出番だね、」

「あぁ、任せた、トラオ、」


「それじゃ、二人ともお疲れさん、着替えて帰っていいよ、」

「はーい、玉子さん」

「それにしても、見物人が沢山来たのには、ビックリしたね、」

「そうだね、でもスター気分で楽しかった。ナミちゃん」

「わたしは、慣れているから、」笑

「そうか、お姉さんとやっていたんだよね、ナミちゃん」

「そういうこと、、」笑


、、、、、


「ねぇ、編集は上手くいってる?トラオ」

「あぁ、なかなかのできだよ、」

「あっそうだ!思いついた?」

「なんだよ、ビックリするだろう、何を?」

「題名、爆裂ガールはどうかな?」

「うん、それはいい、爆裂ガール、、」


「あとは、あのレーベルから配信しようか?」

「あのレーベルって、もしかして、さくらグループの?」

「そう、、それっ、、」

「Eチュンバにも、アップしたらいいんじゃない?」

「それもいいね、」


「それじゃ、早速交渉に行ってくる。」

「あぁ~頑張って、玉子」

「デモテープちょうだい、トラオ」

「いや、PVの方がいいんじゃない?」

「そうだねー、じゃ行ってくるよ、」


玉子は、ある所に車を走らせる。


何も知らない、ナミとオトハは、夏休みの宿題をしていた。

「ねぇ、数学と英語、多くない?」

「数学っていえば、軽井先生だよね、頼んで免除できないかな?」

「軽井先生なら何とかなるけど、玉城先生は無理だね、きっと、」

「そうか、数学でも頼んでみよう、ナミちゃん」

「今度行ったら頼もうよ、オトちゃん、」


そして、数日が過ぎて、、、

ナミとオトハは、玉子の車に乗っていた。

「ライブ会場って、どこ?」

「着いてからのお楽しみ、」笑

「その笑い、怪しいな、」汗

「まぁ、変なとこじゃないから、」笑

二人を乗せた車は、しばらく北上して行く。もうあたりは暗くなってきた。


「はい、着いたから、降りて、、」

そこには、大型トラックが止まっていた。

「はい、この荷台に乗って、」

「えぇ~ここに!」

「中に衣装があるから、着替えて待ってて、」

「何ここ?まるでステージ見たい!」

「ここでやるのか!」

「総ちゃん、お願い、」

総一郎は、玉子の元セフレ、、

そのトラックは、しばらく走り、ある所で止まった。

「さぁー着いたみたいだから、マイクの前に立ってて、」

トラオも荷台に乗り込み、ドラムセットに座る。


この大型トラックは、ウイング車で片側のトビラがゆっくり開いていく。

開き終わると照明が灯る。

前には、たくさんの観客が集まっていた。


「えっえっ、これって、ゲリラライブ!!」

事前にトラオが、ネットに神奈川のとある駅前でゲリラライブを行います、とアップしていた。そうここは、横浜駅前である。


前では、観客の声援が飛ぶかう、、、

「みんな、来てくれてありがとう。Uフォリスです。」

オオーッ!イェー!

「それじゃ、いきます。爆裂ガール、、」

ドラムの音で始まり、、

軽快な二人のギターが響きわたる。

まず、ナミのソロパート、次にオトハのハモリ、上手くいった。

さらに観客の声援に熱が入るのである。

おっ、おっ、オッ、オッ、、♪♪

それにサイリウムを振り始めた観客、、、

間奏で二人のギターを弾くと更にヒートアップ、、

ナミたちは2番、3番と、歌いきった。♪♪♪♪




偶然立ち会わせた、FM横浜、、、

「いったいこの人集りは、なんでしょうか?ちょっと聞いてみましょうか、」

「ちょっとすいません、この集まりはなんですか?」

「知らないんですか、インディーズデビューしたばかりのUフォリスっていうバンドがゲリラライブやってるのですよ、」

「そうですか!ありがとうございます。」

、、、、

「余りの人の多さで、近づけませんので、」

「そうですか、もし何かわかりましたら、実況おねがいします。」


遠くの方で、警官の姿が見えてきたので、玉子たちは撤収することにした。

ウイング車のトビラを閉めて、その場を去って行く。


Uフォリスのゲリラライブも大成功。

その模様を撮影したMVを配信する。

再生回数もぐんぐん伸びてきている。


「これで組織の資金が稼げたな、玉子」

「そう上手くいけばいいんだけど、まだまだかな?」

「まぁこれで、高性能のキャノン砲が作れる。良かったな玉子、、」

「他にも、新しくスポンサーが見つかればだけど、トラオ」

「まぁ玉子のことだから、あてがあるんだろう?」

「そうね、ある事はあるんだけど、でもねナミちゃんが、、」


「あっそうだ、今日 オリコンランキング発表してるよ」

「そう、それじゃ、」

玉子は、ノートパソコンを開いて見てみる。

「えっ!初登場で19位 だって、、」

「それは凄いことだよ、インディーズなのに、」

「このままいけば、ベスト10入りするかも?」

「そうかもしれないな、ライブのMVがかなり反響あったからね、」

「それじゃ、CD発売しょうか?」

「それは、レーベル次第だけど、、」笑


そんなことになっているとも知らずに、ナミとオトハは宿題に追われていた。

「免除が欲しい~~」汗

「それは無理、とにかく頑張りましょう。オトちゃん、」


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