診察結果
それからさらにしばらく待っていると、診療所からリーゼが出てきた。
腕の包帯はしっかりと巻きなおされているようだ。
「おまたせ」
軽い口調で言うリーゼ。
『どうだったんだ?』
「うん。ここじゃどうにも出来ないみたい。ていうか、これが魔物にやられたとかだったらまだ方法はあったみたいなんだけど、今回は違うから」
「魔物にやられたんだとどうにかなるの?」
リーゼの言葉にカノンが首を傾げる。
「うん。とはいっても特別なポーションを使うからよほどお金持ちじゃないと無理みたい」
『なるほどな。で、どうにもできないってのはスキルのせいだからか?』
俺が疑問を投げかけると、リーゼは頷いた。
「うん。先生もそこまで詳しいわけじゃないから断言は出来ないみたいだったけど、これはスキルに体が耐えられなかったんじゃないかって」
耐えられなかった?
確かに状況的にはしっくりくるが、そんなことがあるのか?
それに、たとえ自滅したとしても魔物にやられたのと変わらないんじゃないのか?
「でも、それでなんで治せなくなるの?」
カノンも同じ疑問を持ったようで首を傾げている。
「うん。私もそう思って聞いてみたんだけど、治せないことはないみたいなんだけど、原因になったスキルによっては治らない、もしくは治ってもすぐに元に戻るみたい。それに、どんなスキルなら治せるかはここの先生にはわからないって……」
なるほどな……。
せめて、スキル名さえ分かればどうにか調べることはできそうだが……。
それに、もし治せないスキルだったとしてもコントロールできるようになれば治せるってことだよな。
「って事は、まずはそのスキルが何か?ってことからだよね?」
カノンが聞いてくる。
『あぁ。で、次にスキルのコントロールだが、スキルの方向性自体は予想できてるんだよな』
「そうなの?」
俺の言葉にカノンが首を傾げる。
それに答えるようにリーゼが口を開いた。
「そうだね。竜化スキルの上位スキルか、竜化スキルをサポートするようなスキルだと思う」
『そうだろうな。実際、リーゼの腕は竜化してはいたんだし、無関係ってわけじゃないだろう』
実際、見た目は竜化に耐えられなかったように見えなくもなかった。
「スキルのことを調べるなら……ギルドだよね?」
カノンがいうとリーゼも頷く。
「そうだね。それに迷宮走破の報告もしないと」
あぁ……
そういえばそうだった。
すっかり忘れてた……。




