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第4層目

結局、助けた二人は地上に戻るという事でその場で別れることになった。


助けられたことに関しては、後日改めてギルド経由で礼をしたいという事で、とりあえずカノン達三人の名前だけ教えた。


……が、そういえば、最後まであの二人の名前は聞かなかったような……?


何で忘れていたんだろう?


っと、そんな事は置いておくとして、結局、三層目もそこまでの変化はなかった。


しいて言うのなら他の冒険者の姿を見る機会が出てきた程度か?


最初に助けた二人以外にも、魔物と戦う冒険者や採掘をしている冒険者など、それなりの人数を見かけた。


まぁ、最初に助けたように明らかにピンチと言った感じの冒険者は居なかったが……。


しかし、これが迷宮での稼ぎをメインにしている冒険者の姿なのか。


当然ではあるのだが、迷宮のないレセアールの冒険者とは求められるスキルが違うな。


そして、恐らくこの3層と4層目が冒険者の一番多い場所だろう。


この先の5層目にはボス、階層主がいるらしいしな。


というわけで、5階層を抜けてしまえば攻略はかなり楽になる。


なので、4層目までは道中の敵も無視できるものは無視して進む予定で居たのだが、魔物もほとんど出てこなかった。


まぁ、これだけ冒険者が狩っているのだから当たり前かもしれないが……。













結論から言って、俺の予想は盛大に外れた。


4層に入ったのはいいのだが、3層目までと比べて魔物の数が増えていた。


「はぁ!!」


「キャン!!」


カノンの掛け声とともに魔剣が振るわれ、ファングウルフに似た魔物が宙を舞いながら切り刻まれる。


その横では、シルフィードによって同じような光景が作り出されていた。


そして、背後ではリーゼが刀で一刀両断にしている。


今俺たちが戦っているのはスノーウルフ。


ファングウルフと同じように群で行動する魔物のようだ。


因みに、スノーと名がついているが、別に氷属性を持っている訳でもなければ、雪に関係する能力を持っているわけではない。


こいつらは、断熱性に優れる真っ白な体毛を持っていて、雪の中で獲物を狩るハンターだ。


本来は年中雪が積もっているような場所に生息している魔物だろうが、迷宮の中で沸いた個体は生息地も何もすべて無視だな……。


まぁ、数が多いとは言え……。


『丸見えだっっての!!』


床に伏せるようにカノンの真横から忍び寄っていたスノーウルフに向かってファイヤーボールをぶつける。


「ガウ!!」


俺の攻撃に驚いたようで忍び寄っていたスノーウルフは反転して距離を取った。


そう、こいつら、もし雪の中みたいに真っ白な空間で遭遇すると面倒だが、ここは全面氷の洞窟だ。


向こうが保護色で同化しているつもりでも、丸見えである……。


『そういえば、アンナは三層目までは戦力になれるって言ってたが、ここでも十分な戦力だな』


「そういえば三層目くらいって言ってたよね」


目の前のスノーウルフを切り刻んだカノンが思い出したように頷く。


「あぁ、そりゃ、ここより下はあたしが出てこなかったからだよ。ここは力を貸したくなかったからな」


俺たちの会話が聞こえたよう、殲滅を終えたシルフィードが混ざってきた。


『力を貸さない?』


「あぁ……、ま、今回はお前らに借りを返すために戦っているが……正直この先の階層主はきついかもな」


おや?


珍しく弱気な発言だな?


「こいつの体の負担を考えると……階層主の手前までか?」


そうか……。


俺たちはこのまま進むだけだから気にしてなかったが、アンナの場合はここから引き返す必要があるんだ。


しかも、一人になる以上、迷宮の中で憑依を解除するわけにも行かない。


そうなると、負荷を考えると中々ギリギリのラインになってしまうだろう。


という事は、ここからは俺たちだけか……。

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