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聖鎧

「なんか……鎧を着てるって感じじゃないよ」


霊装状態で軽く動いてみたカノンがそんな感想を漏らした。


『どういうことだ?』


「鎧ってもっと重い物だってイメージがあったから……」


あぁ、確かに甲冑って数十キロはあるって言うもんな……。


しかし……、確かに俺が変身しているのだが、重さも俺のままなのか?


今まででかい魔物に変身したときは、重さもそれなりに増えたような?


『……そんなに軽いか?』


単に予想よりってだけで、かなりの重さがある可能性もあるから一応聞いてみる。


「うん。普段と変わらないんじゃないかな?」


マジか……。


「見た目は重そうなんだけどね……」


俺たちの会話を聞いていたリーゼが近づいてきて、鎧に触りながら呟く。


「はい。普通の金属にしか見えません……」


「それに……ハクさんの気配が殆ど消えたね」


気配?


あぁ、リーゼの竜感知スキルか……。


『つまり今の俺は鎧としての存在の方が強いって事か?』


「そういう事だね……というか、鎧の存在感の方が強すぎるのかも?」


あぁ……これでも聖武具だしな……。


魔剣の上位版というし、そりゃ存在感では負けるか……。


「えっと……あの…重さは本当に軽いんだと思います」


リーゼの後ろにいたアンナが少し離れた所を指さしながら言う。


指さす先を視線で追い、意味が分かった。


『足跡か』


「はい。普通の甲冑で飛び跳ねれば、もっと深い足跡が付きます」


アンナが指さしたのは先ほどカノンが軽く動いていた。


正確には、飛び跳ねたり走り回ったりしていた場所だ。


そこには足跡というより、少し草がはげた程度で土が見えている状態の地面が広がっている。


確かに、数十キロの甲冑で走り回ればあの程度では済まないだろう。


つまり、今の俺は本当に軽くなっているという事だ。


……という事は……。


ためしに、体を重くするイメージをしてみる。


「……あれ?ハク?何かした?」


すると、カノンが首を傾げる。


『あぁ、重くできないか試してみたんだが……』


「多分重くなってる。動けないほどじゃないけど」


そう言ってカノンが歩いて見せるが、確かにいつもより歩きにくそうだし、カノンが歩いた場所には足跡も残っている。


つまり、俺のさじ加減で重さはどうにでも出来るという事か……。


しかし……。


「でもカノンの場合は重くする意味はないよね」


ボソッと呟いたリーゼに、俺は全面的に同意する。


『確かにカノンの持ち味をなくしちまうから、使うとしても元の重さだけだな』


そもそも使う必要が出てくるのかどうかも不明だ。


鎧の形状を変えて元の甲冑にでもすれば防御力の底上げにはなるかも知れないが、基本的に攻撃はかわすカノンに必要とは思えない。


実際、魔装と竜装で充分な感じはするんだよな……。


鎧自体は別に悪いわけではない。


寧ろ、元々聖武具なだけあって能力も申し分ない。


しかし……いざ必要になる状況が分からない以上、今は使い方を考えていくしかないか……。











こうして新しい能力の検証は何とも不完全燃焼に終わった。


しかし、カノンも俺も能力を十分に理解できているわけではないので、意外と伸びしろはあるのではないだろうか?


実際、鎧の重量変化などは有意義な能力ではあるだろう。


これをどう活用するのかは今後の課題だな。


今はとにかく、目先の目標を考えることにしよう。

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