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リビングメイルの欠点

俺とリビングメイルの距離は10メートル程だった。


そこへ俺がブレスを撃ちこんで直径5メートルほどの火柱が発生している。


つまり火柱と俺の距離は7メートル程度はあるはずなので、ある程度の事は対処できるはずだ。


とはいえ、火柱の中から金属の擦れる音は聞こえているので今の一撃のダメージは大したことはないのだろう。


そうなると、これ以上の攻撃を叩き込むか弱点を探すしかないか?


もしくは、いつもみたいに搦め手でやるか?


しかし……。


搦め手を使おうにも鎧相手にどんな手が通じるというのか……。


これが普通のアンデッドというのならまだしも、聖鎧に宿ったせいで光属性にも耐性を持ってしまっているようだし、普通に考えると攻撃魔法でちまちまダメージを稼ぐしか方法はないのではないだろうか?


俺がどうするか考えている間にも、火柱の中から影が見え始めた。


そして、炎をかき分けて少し熱で赤くなったリビングメイルが姿を現した。


やっぱり大したダメージは無さそうだな。


これだけ赤色化していても問題なく……。


待てよ?


『……アクアボール』


ジュ!


ビシッ!!


何となく、急冷を思いついたのでアクアボールをぶつけてみた。


すると、あっさりと胴体にひびが入ってしまった。


どうやら、急激な温度変化には弱かったようだ。


実際、1枚板で作られているのならいざ知らず、つぎはぎだらけになるであろう鎧に温度差を付ければ、つなぎ目から割れるのは当然の事だな。


しかし、鎧にひびが入ってもリビングメイルはまっすぐにこちらに向かってくる。


どういうつもりなのだろう?


さっきまでの行動を見るに、そこまで知能が低いわけでもあるまいし……。





待てよ?


さっきは剣を持っていたけど今は手ぶらだ。


何故ならさっき俺に投擲したからだ。


しかも、その剣もカノンが破壊する準備をしている。


破壊が終わればこいつは一気に弱体化すると思っていたが、そもそも剣を手放した時点で弱体化してるんだよな……。


最初に見せた衝撃波とかは使えるだろうが、それを考慮してもこちらから仕掛ける隙も十分だな。


まぁ、ブレスが効かない以上、ちまちまやるしかないか……。


……いや、試せる手はやってみよう。


そうとなればまずは魔法だ。


火の通りがいまいちだっただけの可能性もあるので他の属性も試してみる。


とりあえずは風からか。


『ウィンドボム』


ボン!!


ガシャ!


手始めにウィンドボムをぶつけてみると、リビングメイルは衝撃波でのけぞって転倒した。


……あれ?


やっぱり動きが可笑しいような?


この程度で足止め出来るような強さじゃないと思ったんだが……。


転倒したリビングメイルは立ち上がろうとしているが、どうにもうまくいっていない。


なんだか動きが制限されているみたいな……。





……もしかしてブレスの炎で関節が変形して曲がらなくなったか?


まさかこの程度でと思わないでもないが、そうだとすれば火属性で攻め続けるのもいい手段かも知れないな。


いや、どうせなら……。


どうするか考えていると、名案が浮かんだ。


それを実行すべく俺は、再び口に魔力を溜め始めた。

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