特殊クラスだけの討伐依頼
翌日、ギルドの掲示板の前が混雑する時間を少しずらして、カノン達はギルドに来ていた。
今回の目的は、なんでもいいので討伐依頼を受けることだ。
実力の確認だけなら訓練場で能力を見せたり模擬戦をすればいいのではないかと思わないでもないのだが、よくよく考えてみると、魔物相手の動きをお互いに客観的に確認出来たらそれに越したことはないし、魔物の討伐をすれば多少は金になる。
ある意味都合がよかったのだ。
とはいっても筈はない。
なので、報酬の面には目を瞑り、町から近い、最低でも日帰りが出来そうな距離の場所の依頼を探すことにしたのだ。
町から近い条件となると好条件に分類されそうなので難しいかもしれないが、それでも報酬で選ばないだけ選択肢は増えるだろう。
というわけで、探しているわけなのだが……。
「思ったより少ないね」
掲示板を眺めていたカノンが呟く。
そう、意外と街の近くというのも無いのだ。
あったとしても、ランク外だったり討伐に時間が掛かりそうな依頼だったりする。
そんな中、リーゼが一枚の依頼表を指さした。
「これはどうかな?」
『ん?……墓地?』
リーゼが指さした依頼表の内容は、街の近くの墓地に出没しているアンデットの討伐だった。
「これ……ですか?」
依頼表をリーゼの横から覗き込んだアンナがなんとも言えない表情になる。
『アンデットって日の光の下だと動けない筈だよな?そんなのが動き出すとしたら夜だろ?』
俺の疑問にアンナが首を横に振る。
「いえ、確かこの街の墓地は、洞窟の中にあった筈です。なので、どんな時間でもアンデットは活動している筈です」
なんでそんな場所に墓地なんて作ったんだよ……。
墓地の場所を考えた奴はバカだったのでは無いだろうか?
「なんでそんな場所にあるんだろ?」
カノンも同じような意見らしい。
「それは私も分かりませんが、前にこの街に来た時も同じ依頼を見たことがあった気がします。ですので、定期的に張り出されているのか、受ける人、もしくは達成できる人がいないかのいずれかでは無いかと」
『アンデットか……依頼表を見る限りCランクだし、無茶苦茶難しいと言うわけでは無さそうではあるが……』
「少なくとも、カノンと私なら苦労はしないね。魔法が使えて魔法剣を扱えるカノンと、刀を扱う私、どっちもアンデットに対する有効打はあるわけだし」
「そういえばアンデットって物理攻撃は効かないんだったっけ?」
『そんな話聞いた記憶があるな。けど、その程度の条件を満たしている冒険者なんてゴロゴロしてるだろ?』
俺がそういうと、リーゼが苦笑した。
「魔法が使えるだけなら簡単だけど、アンデットって種類によっては魔法を使う隙を見せてくれないのも多いんだよ。普通の魔物なら前衛が時間稼ぎできるけど、アンデット相手じゃ難しい。だからそれなりに面倒なんだよ」
そういう事か……。
ん?
『という事は、カノンの魔銃って……』
「多分最高の武器じゃないかな?」
そうなるよな……。
なら、カノンとリーゼに関しては問題なさそうだ。
後は……アンナだけど……。
「えっと、アンナさんはアンデット相手って大丈夫なんですか?」
「あ、はい。特に問題にはならないかと……」
なら、これで決定だな。
『そういう事ならこの依頼でよさそうだな』
「そうだね。じゃあ受けてこよ」
カノンがそういいながら依頼表を剥がす。
さて、アンデットか。
新しいスキルでもあると嬉しいな。




