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ルネットの宿屋にて

ギルドを出た頃には、既に日が落ち始めていた。


まぁ、報告や事情聴取に時間を取られたし仕方ないだろう。


そんなわけで、アンナに案内してもらった宿も満員寸前で、4人部屋一つしか開いていなかった。


というわけで、三人で同じ部屋に泊まることになった。


「……ん~、ようやく落ち着いたね」


大きく伸びをしながらリーゼが呟く。


因みにアンナは建物の外にある井戸まで行っているのでこの部屋にはカノンとリーゼだけしかいない。


『まぁ、忙しない一日だったのは間違いないな』


「半分は走ってたせいだけど……疲れたのは間違いないよね」


カノンがそういうが、走るという選択をしたのは自分たちだという事を忘れてはいけない。


『しかし……今日はゆっくり休むとしてだ。流石に明日や明後日には許可書も出来ないだろうし、それまでどうする?何か依頼でも受けるか?もしくは迷宮に入るための準備か?』


俺がそういうと、カノンとリーゼが顔を見合わせる。


「準備?って何がいるんだろう?」


「さぁ?私も迷宮はちょっと分からないかな?」


二人そろって首を傾げるな。


『それならギルドで聞いてみるしかないだろう。そもそも迷宮の攻略にかかる時間も、出てくる敵の種類も何も分からないんだしな』


もっと言うなら、攻略するまでの難易度も情報として欲しいな。


「ただいま戻りました……あれ?お二人とも、どうされたんですか?」


二人が首を傾げているタイミングで部屋に戻ってきたアンナが同じように首を傾げる。


『あ~、大したことじゃないんだけどな……』


この際、説明してもいいかも知れんな。


カノン達がこの町に来た目的も含めて……。










「なるほど、だからお二人はこの町に来たのですね……迷宮でしたら……少々であれば案内できますが……」


「「え?」」


説明を聞いたアンナから漏れた言葉にカノンとリーゼが目を見開く。


うん。


確かに迷宮に潜っていたような印象は受けなかったしな。


『アンナは迷宮に潜ったことがあるのか?』


「はい。臨時パーティですが浅い階層だけは……」


なるほど、つまり迷宮に入るのに必要な最低限の物資などは把握しているのだろう。


「えっと、じゃあ教えて貰ってもいいですか?」


「はい。勿論です。それと……ご迷惑でなければ途中の階層までであれば案内できますよ。……3層目くらいまでは戦力扱いしていただいて大丈夫だと思います」


3層目と言われても全体の何割なのか、そこの敵がどの程度なのかもわからんので返事がしづらいな……。


まぁ、どっちにしても……。


『案内して貰えるのならありがたいとは思うが……二人はどうだ?』


「私もいいと思うよ」


「カノンと同じだね。私もアンナさんと一緒の方が良いと思う」


二人とも問題なさそうだな。


まぁ、俺が思う問題もないわけではないが、こっちは大したことでもないしな。


『そうだとすれば、一度お互いの実力の確認と連携のすり合わせは必要だな』


俺がそういうと、アンナも頷いた。


「はい。それは勿論です。迷宮に潜るために臨時パーティを組んだ時も、お互いの能力の確認は行いましたから」


そうだとすれば、明日、ギルドの訓練場を借りるか町の外でかのどちらかで、何かしらの方法でお互いの実力の確認だけはしておかないとな。


むしろ、三人共能力が分かりにくいクラスだし、やっておかないと面倒なことになりかねないし……。

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