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ルネットへの道

カノンとリーゼは、アレーナ村で一泊してそのままルネットに向かって走っていた。


アレーナ村に立ち寄ったついでにマリアの様子も確認したが、数日しかたっていないのに既に村に馴染んでいるようだった。


その光景を見てカノンはどこか安心したような顔をしていたが、村長たちはそんなカノンを見て微笑ましそうにしているのだからこの村の人にとってカノンはいつまでもここの住民だという事だろう。


因みにカノンは、アレーナ村の村長に以前来ていた冒険者の事を聞いていたりする。


昔、カノンが迷宮の事を聞いたという冒険者の事を覚えているかどうかは分からなかったが、それでもカノンとしては気になったらしい。


で、村長はその冒険者の事を覚えていた。


というか、今でもたまに商人の護衛として来ている冒険者のようで、村長たちとも顔なじみだという。


因みに、その 冒険者が拠点にしているのはローレルだという。


そんな場所が拠点なので、たまに迷宮に籠ったり、近隣の町や村へ行く商人の護衛依頼をメインにしており、カノン達に話してくれた迷宮の話も、自分の体験の中から子供受けのいい話を考えてくれたのではないのだろか?


どこの世界でも、子供の好きな話は共通だろうからな。


まぁ、その話のおかげでカノンは目標のようなものも出来たのだし、その冒険者には感謝だな。


まぁ、カノンとしては一度会って話をしたいところだろうが、村長もその冒険者の名前を憶えていなかったのでそれは諦めているようだ。


もし、ルネットで会うことがあって向こうがカノンの事を覚えていたらラッキーくらいの気持ちだろう。


いくら今のカノンが印象に残りやすいとはいえ、昔もそうだったとは限らないしな。


というか、村の子供の人数が少なかったので覚えていてくれている可能性も否定はできないものの、いくつもある村の中の一つだと考えると覚えている可能性は低いだろう。


そのことを村長から聞いたカノンは、少しだけ残念そうに、しかし、もう一度会えることを期待してアレーナ村を出発していた。


そして、アレーナ村を出発して数時間、既にローレルは通り過ぎた……というか、少し離れた場所を取っているので恐らくでしかないが、通過しているはずだ。


というわけで、そろそろルネットが見えてくるはずなのだが……。


『……ん?』


カノン達が走っている間、俺はずっと気配察知による警戒を担当していた。


そしてついさっき、遠くの方に人の気配の集まっている町らしき場所を見つけたのだが、その直後、その手前、このから少し先に別の気配を見つけた。


「どうしたの?何か見つけた?」


俺の声に気づいたカノンが聞いてくる。


『あぁ……かなり遠い……気配察知の範囲外に街っぽい気配。で、こことの間に魔物と人の気配だな』


「魔物と人って……襲われてるって事?」


リーゼの質問にカノンからも少し焦ったような感情が伝わってきた。


『いや、それは分からん……いや、確かに魔物に襲われてるのは間違いないだろうが……襲われてる方が応戦してる可能性もあるぞ?』


寧ろ、応戦できる程度の戦力は護衛として雇っているか自前で持っているだろう。


そうでなければこの世界、町の間を移動するリスクが高すぎる。


「確かにそうだね……因みに後どれくらいで遭遇する?」


『そうだな……この距離だし……後数分……5分以内って所か?』


カノン達が走っているのは街道だ。


ここまでくる間にも何人もの商人や冒険者、旅人とすれ違ったし抜かしもした。


しかし、その全員が護衛を付けているか自分が戦えるかのどちらかだった。


気配察知の範囲ギリギリのせいでどのような魔物かまでは判別できないが、それでも範囲内しか反応しなかった時点で大群でないことは分かるし、ギルドでも特に注意事項を聞かなかった時点で大した強さの魔物が出ることはないという事は分かる。


それなら、このまま進んで戦闘しているらしき場所に辿り着いた段階で戦っているのなら、参戦するだけで問題はないだろう。


人によっては獲物を横取りされたと感じる可能性もあるが、こういった段階で遭遇した場合は別に割り込んでも問題ない。


そうしないと自分に火の粉が降りかかる可能性もあるのだから。


そんな事を二人に説明すると、二人も納得したようで、その場所に到着した時点で戦っているのなら参戦することにしたようだ。

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