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迷宮に向けて

雪の迷宮に向かうことが決まった翌日、カノン達は出発のための準備を済ませて、昼過ぎにはレセアールを後にした。


向かうのはルネットという町のようだ。


ロン曰く、雪の迷宮に挑む冒険者はこの町を拠点にして攻略していくらしい。


また、迷宮に挑む冒険者が多いため、この町では迷宮産の素材を専門に買い取る店や、迷宮の攻略に役立つ物資を販売する店も数多く存在し、迷宮を中心に栄えている町と言っても過言ではないらしい。


因みに、ギルドの定める推奨冒険者ランクはD以上で、それ以下のランクの冒険者は迷宮に潜ることが出来ない。


カノン達の場合は問題ないが、それでも見た目でトラブルに巻き込まれるかも知れないという理由でロンが紹介状を書いてくれた。


この紹介状を向こうのギルドで渡せばカノン達の後ろ盾になるという。


因みに、迷宮に入るにはギルドの許可書が必要なのだが、その許可書は順番待ちになることがあるようで、長いと一週間程度待たされることもあるらしい。


この紹介状には、レセアールで出現した迷宮の調査を依頼するための迷宮の走破実績取得と言った目的についても書かれており、向こうのギルド次第ではあるのだがその順番についてもある程度の優遇はしてもらえるだろうとのことだ。


そんなわけで、雪の迷宮攻略後の予定も確定してしまったわけなのだが、カノン達は気にすることもないだろう。


因みに、ルネットはレセアールから見てアレーナ村と同じ方角にある。


アレーナ村からの距離は道なりに進んで徒歩で二日と言った感じらしい。


なので、今日はゆっくり進んでアレーナ村で一泊し、そのままルネットに向かう事になった。


カノン達の足なら一日で走破できる距離だしな。


というか、前に聞いたアレーナ村からレセアールに行くより近い町のすぐ向こうだそうだ。


そして、あくまでルネットはレセアールのお隣の領地にある町で、領都はその隣町らしい。


因みに隣町の名前はローレルというらしい。


領都なだけあって発展しているらしいが、今回の予定では素通り……というか、少しずれた場所を通っていくので寄るつもりはない。


帰りには、もし余裕があれば立ち寄るかも知れないが……。


「でも、まさかこんなタイミングで行くことになるなんて思ってなかったね」


小走り程度のスピードで走りながらカノンが言う。


『まぁ、最初は王都から帰ったら行くつもりではあったんだよな。それが……』


「アレーナ村でトラブって…台地で巻き込まれて、その延長だもんね」


カノンの後ろをついてきているリーゼが俺の言葉を引き継いだ。


そうなんだよな。


俺たち、ここまでずっと流れに乗ってるだけな感じがするんだよな……。


「でも、結局今まで迷宮に入るための準備だったよね」


そう言われてみると……。


まず、ランクを上げるためにムードラまでアイリスの依頼に同行した。


そこでランクの条件を満たすことになった。


次に、そこで出会ったリーゼの武器の修理のために王都へ行った。


そこでもアイリスの依頼に巻き込まれる形にはなったが、学園での生活は新鮮でためになったし、魔銃という新武器も手に入れた。


で、満を持して迷宮に行く……前に立ち寄った場所で、ここの迷宮に行くことになったと……。


幸か不幸か……。


『まぁ、目的があるとは言え一度行ってみたかった場所だろ?なら迷宮に居る間は向こうの事は忘れてもいいだろ』


「確かにね。カノンは楽しみにしてたんだろうし、それくらいはいいと思うよ?」


リーゼも賛同してくれている。


「う、うん。でも、私も行ってみたいなってだけだったし……」


カノンが遠慮気味に言うが、カノンの場合は少し違うだろう。


何せ、元々魔弱で迷宮に入るなど夢のまた夢だったのだ。


それでも、冒険者から聞いた話で想像を膨らませていた場所が、手の届く場所にある。


ある意味、重要な場所になるかも知れないな。




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