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あっけない結末

「で、どういうことなのかな?何で私まで巻き込まれかけたのかな?」


『あ~、その…なんというか……少し威力ミスったというか……すまん』


カノンに問い詰められて必死に弁解する俺。


まぁ、自分があんなバカみたいな攻撃に巻き込まれかけたらそりゃ怒るよな……。


悪い事をした……。


「……はぁ…まぁいい薬にはなったからいいかな?」


そう言って俺のブレスの跡地に視線をやるカノン。


直撃を食らった二人の姿はない。


ブレスによって吹き飛ばされ、この先まで飛んで行ったからだ。


遠くの方で全く動かない人影が見えるのだが……死んでないよな?


『やりすぎたか?』


「いいんじゃない?村に被害もなさそうだし」


確に村には被害はない。


村とは違う方向にブレスを撃ったのだから当然と言えば当然なのだが……。


カノンは村の安否を確認すると、二人の方に向かっていった。


カノンの中で、どうするかの結論は出ているだろう。


その内容がどうであれ、カノンの意思を尊重することにしようか……。









「あ~、すぐには起きないかな?」


二人の様子を確認したカノンが面倒そうに呟く。


二人は一応生きてはいる。


ただし、全身傷だらけのボロボロの状態ではあるが……。


非殺傷のつもりがえぐい殺傷能力を獲得してしまったようだ。


「……ぅ…」


カノンはしばらく起きないと予想していたのだが、セシリアの方がわずかに声を上げた。


「起きて下さい。起きないともう一発行きますよ」


何を?とは聞かんぞ?


「く……なんなのさ一体…」


なんとか上体を起こして悪態をつくセシリア。


しかし、もう抵抗する気力も体力も無さそうだ。


当然か……。


すでに2人とも満身創痍。


それに対して俺たちはほとんど無傷……というか、魔力が少々減った程度か。


そんな状態で向かってくるのは自殺行為でしかない。


その辺りは理解できているようだ。


「……何が目的だい?」


渋々と言った様子でカノンに聞くセシリア。


彼女も分かってはいるようだ。


さっきまでの戦いは今のカノンの力を示すための物で、その上で取引、もしくは一方的な命令があるという事を。


対してカノンは少しだけ機嫌がよさそうだ。


「話が早くて助かりますね。私から貴方たちへの要求…と言えばいいでしょうか?今まで通りに戻ってください。もし…これ以上セレンたちを巻きこむつもりならこの村から出て行ってください」


カノンの言葉を聞いたセシリアは暫し唖然とした後、笑い出した。


「あーっはっはっはっは!!何を言うのかと思えば、やっぱりあんたはまだまだガキだね」


セシリアに笑われて不機嫌そうにするカノン。


「……自分の事は分かってますよ……ハク、後はお願い」


この流れでこっちに振るんかい!


まぁ……確かに今のは少し甘いししょうがないのか?


俺はカノンの隣に移動してセシリアを見据える。


「……な、なにさ…」


俺と目が合った事で少しおびえた様子を見せるセシリア。


ある意味丁度いいかな?


『カノンの希望は今まで通りになればいい。しかし、今回のようにセレンたちを巻き込むようなら出て行って欲しい……だな?』


「う、うん」


確かに理想はそうだろうが、今回はうまくは行かないだろうな。


仮にもう一度約束をして見逃したとして、相手が約束を守るという保証もない。


そもそも、町から離れた場所にある小さな村で、律義に約束を守るメリットも薄い。


つまり、今回に限っていえば約束など不可能だという事だ。


ならばどうするかという話になるが、意外と簡単だったりする。


『今まで通りってのは諦めろ、俺たちがここに残って監視するってんならともかく、現実的じゃない』


「……そうだね…」


『なら、もう一つの案になる。こいつらを追い払うか自分で出て行ってもらうか、そのどっちかになるな』


「……それしかない?」


『少なくとも、俺が思いついた中では最適解だな』


「……分かった…」


そう返事をしたカノンは、セシリアの方へ向き直る。


「二人とも、この村を出て行ってください。それがあなた達を見逃す条件です」


「……いいのかい?私たちがいなくなれば用心棒はいなくなるよ?」


「ご心配なく、私、あなた達よりも強いですから」


さらっと言い返したカノン。


ん?


カノン……お前……。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 229話だけど、奴隷契約させればよくない?そういうスキル持ってるし。 [一言]  つうか、この辺りで今の自分に何かてきるかを余り考えなくなった上鑑定すら使わなくなったなこの主人公は…
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