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親子の再開

カノンがまっすぐに向かっている場所には覚えがある。


確か、カノンの家だった場所だ。


カノンの両親は二人ともそこに住んでいるはずなので、そこに気配が二つあるのなら目指す場所はそこで間違いないだろう。


そして、カノンが向かっていた家が見えたとほぼ同時、そこから二人の人影が出てきた。


「……バレてるかな?」


『あの感じからして間違いないな』


二人の人影はまっすぐにこちらを見ている。


これでばれていないのなら、それは相手がよほどの馬鹿という事だろうな。


「…………」


二人の人影…セシリアとフレッドの少し前で立ち止まって二人を睨みつける。


「カノンじゃないの?私達に会いに来たのかしら?」


何となく子馬鹿にしたような言動に聞こえるな。


「ある意味では当たりでしょうか?お二人が約束を破ろうとしているかなと思いまして」


対してカノンも普通に言い返してるな……。


「……相変わらず可愛くない子…」


「お二人のおかげですよ?……っと、その前に……私、前回の事で学習しました。あなた達には何を言っても無駄だって」


「何のことよ?約束はしっかり守ってるわよ?」


セシリアとカノンの不毛とも思える会話が繰り広げられている訳なのだが……さっきから何でフレッドは話さないんだ?


「守ってますか?例えば……村の人たちを騙して自分たちが有利に立とうとしていたりしません?そうですね……セレンたちを利用して……」


カノンがそういった瞬間、セシリアの表情が険しくなった。


「あんた……何処まで知ってるの?」


「何処までも何も……」


「もういい、セシリア」


カノンのセリフを途中で遮ったのはフレッドだった。


「あんた?」


「もういいだろ?このガキが俺たちの事をどこで聞いたか知らんが、口を封じれば同じだろ?」


そういいながら背負っている大剣に手を掛けた。


「そういえばそうだね」


フレッドの言葉にセシリアも同意し、何かの詠唱を始めた。


『カノン?向こうやる気みたいだが……ここで暴れていいのか?』


カノンが良いというのならここで全力を以って相手をするつもりではあるが……。


「ここじゃ駄目だよ。この二人相手じゃ周りの被害も考えないと……」


そう言いつつもカノンも収納から剣を取り出す。


『しかしな……場所を変えるにしても向こうが同意するとは思えんが……』


カノンは村への被害を考慮しているのに対し、向こうは全く考えて居るそぶりはない。


さて、どうするか……。


「簡単な方法があるよ?」


「フレイムアロー!」


カノンがそういったのと同時、セシリアの魔法が完成してカノンに向かって飛んできた。


「……邪魔」


カノンはそれだけ言うと魔法剣で魔法をはじき、そのまま屋根の上に飛び乗った。


「魔法使ったって事は戦うって事でいいんですね?じゃあ私も遠慮なしにやりますよ」


カノンがそう言って魔法剣を振りぬく。


ドゴン!


すると、二人の家の屋根が一部吹き飛んだ。


「こ、このクソガキが!!」


それを見てカノンに敵意を向けるフレッド。


「そんなに私が憎いなら追いかけてきたらどうです?」


そういいながら屋根伝いに村の外に向かうカノンと、憤怒の形相でそれを追い抱えるフレッド。


あれ?


そういえばセシリアは……いた。


フレッドの後ろを追いかけてきている。


しかし、どこか一歩下がった位置でこちらを観察しているように見えるな……。


向こうからしたら得体の知れないカノンの能力。


それを見極めるつもりなのだろうか?


さて、どうするつもりなのか……。


そもそも向こうだって無策でカノンに挑むのは得策ではないと分かっているからこそ、こんな回りくどいやり方をやっているはずで、カノンの挑発に乗ってくるって事は何かしらの対抗策を用意していると考えていいのだろうか?


それとも……ただ馬鹿なだけなのか?


まぁ、一応用心しておくに越したことはないだろう。





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