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武器屋へ

ギルドの次にカノン達がやってきたのはセシルの武器屋だ。


「こんにちはー」


そんな言葉と共にカノンが扉を開けて中に入る。


「いらっしゃーい……って、カノンちゃんとリーゼちゃんじゃない?どうしたの?」


そんな調子で店の奥から出てきたのはセシルだ。


「はい、私達そろそろ出発しようと思っているので挨拶に……」


「え?出発?居なくなるって事?」


少しだけ慌てた様子のセシル。


「あ、はい、なのでこれもお返ししようかと……」


そう言いつつ収納から魔銃を取り出すカノン。


それを見たセシルは少しだけ考えるそぶりを見せると、首を横に振った。


「それはそのまま持って行っていいよ」


「え?でも…私そんなに宣伝になる事してませんでしたし……」


セシルの言葉に驚くカノン。


「そうでもないんだよ?最近学園の関係者を中心に問い合わせが増えてるんだよ。で、あたしだけじゃ生産が追いつきそうもないから少しだけ作って殆ど断ったんだ」


苦笑しつつそんな話をしてくれた。


そういえば、学園の訓練場で魔銃の練習をしていた時、周りには当然ながら他の生徒もいた。


そこから口コミが広がったのか……。


「でも正直、学園関係者がほとんどで助かったよ。騎士団とかギルド関係からの依頼だと断り切れないし納期も無茶だしね。だから、カノンちゃんはしっかり宣伝してくれたから約束通りそれはあげる。……ってか、次はどこに行くの?」


「あ、ありがとうございます…レセアールに戻ろうかと思ってます」


「レセアールか……」


カノンに聞こえるかどうかの声でそう呟くセシル。


何を考えているのか……。


「あの、私も、ありがとうございました」


カノンの後ろにいたリーゼも、セシルに礼を言う。


「ん?あぁ、それね。いえいえ、また何かあったら見せに来てね?というか、どこの武器屋でもいいからたまにはメンテに出すこと?いいね?」


「は、はい!」


お説教じみた言葉に思わずと言った様子で背筋を伸ばすリーゼ。


「刀だけじゃないよ?防具も……ってか防具なんてどこでもメンテやってくれるんだからしっかり見てもらう事!いざって時に壊れたら意味ないからね?」


「はい!気を付けます!」


「よし、じゃあ二人とも、これからも頑張ってね?」


「「はい」」


セシルに見送られ、カノン達は武器屋を後にした。










武器屋を出た二人は、そのまま王都を出てレセアールに向かうことにした。


食料と水だけ買い込んで、そのまま出発すれば問題ないだろう。


そんなわけで、カノンとリーゼで必要なものを手分けして買い込み、王都に来た時に入ってきた門から外に出て王都を後にするのだった。


『さて、これでここともさよならだな』


「うん。なんだか大変だったね」


カノンがしみじみと呟く。


「私としては貴重な経験が出来たかな?」


「それは私もですけど……結局入学してないのに授業聞くことが出来ましたし……」


『多分あれは特例中の特例だったんだろうな…』


いくら命を狙われたとは言え……。


「そもそも命を狙われるって色々可笑しいからね?」


確かにな……。


しかも原因はしょうもない事だったし……。


「そういえばなんか報告書貰ってなかった?何が書いてあったの?」


「え?…そういえば……」


カノンが思い出したように書類を取り出して読み始める。


俺のカノンの視界から眺めてみる。


『中々詳しく書かれているみたいだな』


非公開情報は省いてあるらしいが、それでも俺たちにとっては充分な情報だ。


「え?何が書いてあるの?」


リーゼが必死に覗き込もうとしているが読めていない。


『あー、説明するとだな…』


仕方ないのでこのまま簡単に説明してしまおう。





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