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ギルドの魔道具

アイリスは学園の寮の部屋にいた。


今日は授業もないのでアイリスも暇だったらしい。


そんなアイリスに、カノンは今の状況を説明していた。


「……なので何とか向こうと連絡が取れないかって思ったんですけど……」


「なるほどね……。カノンちゃんが困ってるって事は分かったんだけど……」


アイリスは少し考え込むようなしぐさを見せた。


「要はカノンちゃんのご両親の行動が不審って言うカノンちゃんの勘なわけよね?私は直接会ったことがないから何とも言えないんだけど、カノンちゃんの勘だけじゃギルドは勿論領主軍も動かせないわ」


それは当然だな。


「でも、もしギルマス辺りがこの話を聞いて動くべきだって判断をしたなら少なくともギルドは動かせるでしょうね」


その言葉を聞いてカノンの表情が明るくなった。


『……多分…ロンなら動くと思うぞ?あの二人の事はよく知ってるはずだからな』


「ハクがそういうって事は一度会った事のあるハクから見ても可笑しいと思ったって事でいいの?」


『まぁそうだな。正直言って、自分たちが第一で周りの事は全て無視。けど自分たちが周りへ与える影響はしっかり把握したうえでやってたからたちは悪かったな』


あの時も自分たちが魔物を狩らなければ村人が困ると理解したうえでの行動だ。


しかも、代わりに依頼を受けた冒険者を排除しようともしていた。


あんな事をする二人が慈善事業のような事をするとは到底思えない。


村人たちの方もそのことは理解していると思うのだが……。


ついでに言うと、あの二人に散々苦しめられたロンに関しては間違いなく裏があると疑うだろう。


「……ハクから見てもギルマスが動く状況になるって事なら、私がここのギルドに話は通してあげる。でも、その件に関してはカノンちゃん、貴女が責任もってしっかりと片づけなさいね?」


「はい!」


アイリスの言葉に、カノンが力強く答えた。













その後アイリスはカノンを連れてギルドにやってきた。


そして、受付で何かを話すとそのままカノンを連れて奥に入っていく。


『アイリス?何処に行くんだ?』


「通信魔道具のある部屋よ。一応Aランク以上の冒険者しか使えないんだけど今回は特別ね?」


そう言ってウインクするアイリス。


そして通路の先の部屋に入ると、そこには部屋いっぱいに広がる機械のようなものがあった。


「大きい…ですね……」


『本当にな……通信だけでこの規模か……』


現代日本では考えられないサイズだ。


いや、向こうは向こうで回線を管理するサーバーはあったはずだから似たようなものだろうか?


しかし、端末単位でこのサイズだとすると、少し違和感を覚えないこともないか?


まぁ、仕組みも全く違うだろうしそもそも技術力が根本から違うのだから仕方ないのか?


「決められた端末どうしで近距離なら持ち運びできるサイズもあるんだけど、これは通信先を選べるしこの国だけじゃなくこの大陸の中ならどこでも通信できるからここまで大きいのよ。因みに私からギルマスに通信したことはないわよ。大体向こうから私宛の依頼を押し付けてくるだけ」


後半は少し不機嫌そうに、そんな説明をしてくれたアイリス。


説明をしながらも何やらメモらしき紙を見ながら魔道具を操作していく。


そして、最後のスイッチを入れ、その場から少し下がった。


そして、受話器らしきものを手に取って向こうの応答を待っているようだ。


少しだけ待って、受話器から何かの音が聞こえた。


向こうが応答したらしい。


「……あら?ギルマスかしら?……えぇ、アイリスよ?…………別に何の問題もないんだけど、カノンちゃんが少し気になってることがあるらしくて…………」


1人だけで話し始めたアイリスを少し不思議そうに眺めるカノン。


いや、俺とお前の会話も似たようなものだからな?


「……えっと…確かカノンちゃんのご両親……」


ドン!


受話器の向こうから大きな音が聞こえた。


「ギルマス!?大丈夫!?」


ロンのトラウマ復活させたかも知れんな……。


まぁ……いいか。

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