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授業を終えて

授業が終わり、今は昼休みだ。


カノンはマルガレーテと一緒に、食堂で昼食を食べていた。


この学園の食堂は、生徒も教師も利用するようで、中々に広い。


そして、メニューも豊富に揃っている。


そこらの飲食店などの比ではない種類のメニューがあった。


因みにアオもしっかりと食べていたりする。


何を食べているのかと思ったら、ステーキを味付けなしで焼いてもらった物のようだ。


「キュ~!」


ご機嫌で肉にかじりつくアオを見ていると、このサイズなのにしっかりと竜なのだと実感させられる。


「ハクはよかったの?」


そんなアオの様子を見ていたカノンが聞いてきた。


『正直旨そうだとは思うが……どっちにせよ魔力不足で召喚が維持できないからな』


今俺はカノンの中に戻っている。


授業の間ずっと召喚されていたおかげで、魔力的に不安になってきたのだ。


「白竜さんには感謝しないとですね。アオちゃんが大人しかったですから」


おもむろにマルガレーテが呟いた。


というか……。


『あれでおとなしかったのか?』


授業の間、ずっと俺にじゃれついてきていた気がするのだが?


そんな俺の言葉にマルガレーテが苦笑する。


「普段よりずっと大人しかったんですよ?少なくとも私からすれば……ですが……」


つまりマルガレーテが平和だったのは、俺が遊び相手に認定されていたからっと……。


『まぁ生後半年じゃ仕方ないのか?』


「人だったらそうかもしれないけど……竜ってどうなの?」


俺の言葉にカノンが疑問をぶつけてきた。


『どうなんだろうな?そもそもアオみたいな竜の赤ん坊って他に居たりするのか?』


「キュ?」


肉を食べていたアオが呼んだ?みたいな目でこっちを見た。


「どうなんでしょう?アオちゃんはたまたま私が面倒を見ることになりましたが……普通なら竜の卵なんて手に入れることすら不可能ですからね」


マルガレーテが少し考えるそぶりを見せた。


確かにその通りだな。


普通なら、卵を盗み出そうとした段階で親の竜のターゲットだ。


『…………いや、そういえば一人だけ心当たりがあるかもしれん……』


昔の記憶を探っていたら出てきた。


「誰?」


カノンが首を傾げる。


『カノンが封印者(シーラー)だって分かった時、ロンが言ってなかったか?竜を封印している奴はいるって』


その流れで、キメラドラゴンは前例がないって言ってたような記憶がある。


「そういえば……でもそれって誰か分からないんだよね?」


『まぁそうだな。ロンに聞いてみるのが一番だとは思うが……』


教えてくれるかどうかは別にしてだが……。


「じゃあ今度聞いてみないとだね」


楽しそうに言うカノン。


「キュ?」


俺とカノンが俺たちにしか分からない話をしている横で、アオが不思議そうにこちらを見ていた。


最初は自分の話だったのに、いつの間にか自分には分からない話になっていたのだから仕方ないか。


というか、生後半年でよく会話の内容が分かるよな。


「多分、細かな中身までは理解できてないと思うよ?」


『……また声に出てたか?』


「はっきりとね。ハクもそのくせ直した方が良いよ?」


善処しよう……。


「そういえば、カノンさんは午後はどうされるのですか?」


不意に、マルガレーテが思い出したように聞いてきた。


「えっと……ハク?」


『あぁ、朝に授業をした訓練場でアイリスの助っ人だな』


アイリスと別れるときに、ソルに確認しておいた。


間違いない。


「……白竜さん、優秀ですね」


「あはは……助かってます」


カノンが苦笑気味に答えている。


まぁ、カノンは確認するのを忘れてたしな。









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