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学校案内

マルガレーテに学園の中を案内してもらうことになったカノン達だが、マルガレーテ曰くここの施設をすべて案内しようと思うと一日あっても終わらないらしいのでカノンに関係のありそうな場所だけを案内してもらった。


例えば各種訓練場や、グラウンド……、この学園、グラウンドだけでも何か所かにあった。


それは単純に生徒の人数が多いためであり、そうしないと全ての生徒の教育が出来ないからだそうだ。


そして、職員や生徒が使っている寮、マンションのような建物が立ち並んでいる団地のような場所だった。


それに加えて校舎がいくつか……。


この学園、広過ぎである。


そして現在、カノン達は食堂の片隅にあるカフェのような場所で話をしていた。


こんな場所まであるとは……。


「キュ!」


マルガレーテの横でテーブルの上に座り、皿に載せられた肉を食べているアオを見ながらそう思う。


この場所、従魔を連れていてもいいいらしい。


その流れで召喚されたままの俺もカノンの前に座っている訳なのだが……。


因みに俺の前には何もない。


そもそもカノンに封印されてから何かを食べたいという欲求が沸いてこない。


『しかし……場所に合ってないな……』


目の前で肉に齧り付くアオを見ながら呟く。


何でこんなカフェのような場所でステーキなんてあるんだ……。


「白竜さんは食べないんですか?」


アオを不思議そうに見ていた俺を見てマルガレーテが言う。


「そういえばハクが何か食べた所って……ゴブリン?」


言われて思い出した。


そういえばマンイーターでゴブリンを消化したことあったな。


『あれは食事になるのか?』


「ならないの?」


質問に質問で返されたが……どうなんだ?


「あれって栄養になったのかな?」


カノンの横でそんなことを呟くリーゼ。


確かにどうなったのか俺も分かっていない。


一応溶かしただけで吸収はしてない……いや……確か捕食吸収のスキルがあったしもしかしたらステータスには変換されたのかも知れないな。


「でもそれ以外だと確かにハクってなにも食べないよね……召喚しても食べようとしないし」


『まぁ食欲が沸かないしな……』


「私と出会う前はどうだったの?」


『どうって……果物は食べた記憶があるが……それくらいか?』


そういえばリンゴを食べて一日目を凌いで、二日目にはカノンに封印されたんだったっけ……。


「キュ?キュ~」


カノンと俺のやり取りを聞いていたアオが自分の肉を俺に差し出してくる。


俺の食生活に同情でもされた?


そんな要素あったっけ?


「アオちゃん?ハクにくれるの?」


「キュ~」


カノンの問いに上機嫌でそう答えるアオ。


『いや……今はいい…というか食べれないな。召喚の時間切れだ』


見事に空気を読まないタイミングだったが、俺は光に包まれてカノンの中に戻った。


まぁ、戦闘もしたことを考えるとよく持った方だろう。


「キュ……」


何故か残念そうにカノン、というか俺の方を見てくるアオ。


俺…何か気に入られるようなことしたっけ?


「キュキュ?」


「ごめんね、もう魔力が無いから今日は無理かな?」


「キュ……」


「うん、じゃあ明日また呼ぶから…ね?」


「キュ!」


ん?


「あれ?カノンさん?アオちゃんの言葉……」


マルガレーテが不思議そうにカノンに聞く。


「あ、はい。何となくですけど……」


カノンって意外に器用だよな……。


『因みに……なんて言ってんだ?』


「え?もっと一緒に居たいって…」


だから何で気に入られたし……。


「凄いですね……私は従魔契約の繋がりで何となく分かるだけなのに……」


カノンの場合はそんなものなしだからな……。


もしかするとセレンの相手をしていて身に着けた業かもしれんが……。


むしろその方がしっくりと来るな……。


カノンの意外な特技を発見した一日だった。



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