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カノンとマルガレーテ

side カノン


召喚されたハクは何回かスカイドラゴン……アオちゃんって言ったっけ?


そのアオちゃんと数回攻防を繰り返したのち空高く飛んで行ってしまった。


確かスカイドラゴンって空じゃ最強ってリーゼさんが言ってなかったっけ?


そんなの相手に空で戦いを挑む時点で私の無茶に文句言う資格ないと思うんだけど。


でも、ハクの意図は分かってるつもりだし、いざとなれば召喚を解除して私の中に戻ってくるのだろうからそんなに心配していない。


「あら?よかったのですか?アオちゃんは空では負けなしですよ?」


こっちはこっちで既に数回打ち合ったマルガレーテさんがそういった。


私たちの選択を馬鹿にしているというより、何を考えてるのか知りたいと言った感じなのかな?


なら、正直に答えよう。


「ハクは負けませんよ。それに、アオちゃん?でしたか?あの竜が邪魔だったんです」


私は何の問題もないというように言い放つ。


「竜が邪魔…ですか、それほど脅威には感じていないと?」


「いいえ?充分に脅威だと思いますよ?でも、二対二で戦うよりも一対一にした方が良いだけの事です」


「……封印者(シーラー)は魔力が少ないと聞きました。それでも私と戦えると?」


「試してみますか?」


私は身体強化を最大レベルまで引き上げる。


マルガレーテさんを切っちゃうとまずいので魔法剣は鞘に納めている。


だから魔法剣としての機能は殆どが使えない。


でも、魔法剣はなくてもいい。


そもそも初めてゴブリンを倒したときはハクが変身してくれた剣だった。


その後も魔法剣を買うまでは魔法を使うか普通の剣を使っていた。


つまり、魔法剣が無くても私は問題はないはず。


それに今回は魔銃もあるし、いざとなればそっちも使える。


なので、魔法剣を使うイメージではなく普通の剣を使うイメージで戦うことにする。


私は足に魔力を込めて、地面を蹴る。


「!?」


するとマルガレーテさんに一気に近づける。


「はっ!」


そんな掛け声とともに剣を横一線。


「舐めないでください!」


ガキン!


しかし、マルガレーテさんもギリギリで攻撃を止めてしまう。


ハクが飛び立つまではこんなやり取りを何回か繰り返したのだ。


でも、今回は少し違う。


「なっ!何でこんなに……」


重いんだ。


そう思ったはずだ。


何故ならさっきまでの私の身体強化はレベル5相当。


そして今のレベルは10だ。


速度はさっきと同じくらいになるように調整したけど、一撃の重さはさっきとは比べものにならない。


さっきと同じだと思っているマルガレーテさんはそのまま足が宙に浮き、後ろに吹き飛ばされた。


しかし、その時のマルガレーテさんの口が動いているのに気が付いた。


「……ウィンドボム!」


短い詠唱と共に放たれたのはハクもよく使う空気の塊だ。


これなら問題なく対処できる。


この魔法は爆発するとはいえ大した威力もないし不可視という事を除けばまっすぐ飛んでくるだけの魔法だ。


私はそれに対して何もせずに突っ込んでいく。


そして、ウィンドボムの爆発の範囲に入る瞬間に口を開いた。


「魔装」


私がそう呟くと同時に魔力で出来た衣が現れる。


そして、魔装の魔力を足に回してウィンドボムが爆発する前に範囲を駆け抜け、そのままマルガレーテさんに肉薄した。


「な!速い……っ!!」


私が振りかぶった剣に慌てて杖を構えるマルガレーテさんだけど、残念。


何度もやったこの方法では防がれてしまう。


かと言って魔装のスピードに身を任せてしまってはマルガレーテさんが死んでしまう。


正直、魔物相手より戦いにくかった。


でもこれは模擬戦なので、別に殺す必要はない。


相手に負けを認めさせるか戦えない状態にしてしまえばいいはずだ。


なので、普段はハクに任せているけど魔法を使おう。


「アースロック」


私が選んだのは地属性の補助魔法だ。


効力は単純で、任意の場所の土を操作して相手を土の中に沈める魔法だ。


本来は発動まで時間がかかるので使えないらしいんだけど、私の魔力制御で魔力をつぎ込んでやれば早く展開できる。


「え?な!ど、どういう事です!?」


私が魔法名を呟いたのとマルガレーテさんが地面に沈んだのは同時だった。


地面が沼のようになって、そのままマルガレーテさんを飲み込んでしまった。


でも、死なないように首から上は出してるんだけど……。


「こ、降参!降参します!!」


必死な声でそう叫ぶマルガレーテさんは生首に見えてとても不気味だった……。


そして、それと同時に空から何かが降ってくるのが見えた。


ドオォォン!


そんな音と共に落ちてきたのは真四角の石の塊だった。


ハク……何したの?


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