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アイリス・フォン・レセアール

「じゃあ何から話したらいいかしら……まずは私の事からでいいかな?」


そう言ってアイリスは右手に嵌めていた指輪を外した。


「ハクは鑑定が使えたわよね?私を鑑定できる?」


アイリスに言われたので鑑定を掛けてみる。


----------

種族・人間 名称・アイリス・フォン・レセアール

職業・封印者(シーラー)・Aランク冒険者 年齢・20

HP・2132 MP15(214360)

スキル

感覚系

心眼・方向感覚Lv3・気配察知Lv10・身体強化Lv8・王威Lv2・気配遮断Lv10・夜目Lv1・嗅覚探知Lv3

戦術系

拳闘術Lv7・蹴闘術Lv10・戦技Lv4

魔法系

魔力操作Lv10・詠唱破棄Lv9・詠唱短縮Lv10・魔力制御Lv2・火属性Lv10・火炎属性Lv3・光属性Lv10・閃光属性Lv3・聖炎属性Lv2

状態・耐性系

火炎耐性Lv10・闇耐性Lv7

技能系

解体Lv5・採取Lv2・統率Lv2

特殊系

跳躍Lv6・召喚術Lv1

固有スキル

獣装Lv4

----------



スキルには特に変化がない。


少しレベルが上がったスキルがある程度か?


まぁ、それ以前にとても気になる変化があるわけだが……。


『名前が変わってるな……』


「え?アイリスさんって偽名だったんですか?」


俺の言い方がまずかったのか、リーゼが驚いたようにアイリスに聞く。


「違うわよ!アイリスは本名!ハクも紛らわしい事言わないで!」


『間違ったことは言ってないんだが……』


「……確かにあってるけど……言い方……」


カノンからも呆れたような声が聞こえてきた。


『名前にレセアールって付いているってことは、レセアールの領主の一族って事か?』


このままだと話が進まない気がしたので、少し強引に話を進める。


俺のせいとか聞こえてきそうだが気にしない。


「はぁ…まぁいいわ……。正解、正確には私の父親が領主ね。つまり私は領主の娘。貴族の娘って言った方がいいかしら?」


アイリスがそう言って胸を張るが、カノンはどこか納得できていないような顔をする。


「貴族……ですか?」


「ん?何か気になる事でもあるの?」


カノンの呟きにアイリスが反応する。


「いえ……貴族って皆さんこんな感じなのかなって……」


『いや、俺も実際に会ったことはないが、これは例外中の例外だと思うぞ?』


これとか失礼な言い方ではあるが、この際気にしないことにする。


「これって……確かに例外もいいところなのは事実だけどね……」


普通の貴族ならここで怒るのが普通なのだろうが、アイリスの場合は落ち込むからな……。


『普通はそんな反応にはならんだろ……』


「そうね……私の場合は少し特別だしね」


そう言って自分の胸の辺りを指さすアイリス。


封印者(シーラー)、つまり魔力が少ないことを言っているのか?


「知っている人は知ってるかも知れないけど、貴族って実力主義なことが多いのよ。例えば領地の運営が上手かったり、魔力が多くて強かったりってね。で、私は末っ子なんだけど兄や姉が中々優秀で私は結構自由にしてたのよ。で、冒険者をしてるって訳」


なんだか少し言葉を選んでいるような……。


というか、それはそれとして……。


『で、それとこの部屋とどんな関係が?』


アイリスが貴族だということはよく分かった。


しかし、それでこの部屋に泊まる理由は分からない。


「あぁ、それは簡単よ。レセアールやムードラじゃ私が貴族だって知ってる人は少ないか気にしない人ばっかりだけど、ここ(王都)じゃ周りもうるさいしね。一応こっちにも家の屋敷はあるし、私が普通の宿に泊まってるとそっちもうるさいのよ」


そう言って盛大にため息を吐いた。


あぁ……。


いくら自由にしているとは言っても色々あるんだな……。


「まぁ、そんなわけだから王都にいる間はここに滞在するしかないのよ……。あ!お金は私の実家が出すから気にしないでね?」


「え?でもここって……」


そんなことを言うアイリスにカノンが何か言おうとして言いよどむ。


「アイリスさん……ここ…高いんじゃ……」


カノンが言えなかったことをリーゼが言った。


「え?あぁ、それは大丈夫よ、貴族の財力は半端ないもの」


それに対してアイリスはとてもいい笑顔で答える。


『いいのか?』


色々と……。


口には出さないがアイリスには伝わったようで、頷いてくれた。


「だって私がここに泊まりたいって言ったんじゃないもの。向こうが屋敷に帰らないのなら最低でもこれくらいの宿に泊まれって言ってるんだし、私の依頼を円滑に進めるために仲間と同じ宿に泊まりたいんだからそれくらいの融通は聞かせてもらうわよ」


とってもいい笑顔でそう言い放ったアイリスだが、後半は多分建前だな……。


単純にカノン達と一緒の宿に泊まりたいだけだろう……。


「というわけでカノンちゃん。お願いがあるんだけど……ハクを召喚してくれない?」


「え?」


突然の注文にカノンが驚く。


「だってハクを抱いてるカノンちゃん気持ちよさそうだったから……。少し試してみるだけだから…ね?」


訂正、俺の抱き心地を試してみたかっただけのようだ。


というか、俺の存在意義がそろそろ抱き枕になろうとしてるんだが……。


果たしてこれでいいのだろうか?


因みにカノンに関しては諦めた。


だって断ろうとするととても悲しそうな顔をするし……。


そしてリーゼよ。何故アイリスの後ろに並んでいる?


アイリスの次は自分の番だとでも言いたいのか?


そもそも……。


『アイリスはソルをモフればいいだろ……』


アイリスもソルを召喚できるのだ。


ソルに抱き着けばいいだろうに……。


『私は嫌です。以前に抱き着かれたので殴り飛ばしたことはありますけど』


殴ったということは前足か?


白虎の猫パンチ……。


普通なら即死するんじゃ……。


というか、俺も嫌だよ……と言いたいが…カノンが悲しむので口には出すまい。


それに最近段々とカノンの腕の中が定位置になりつつあるし……。


……俺のセカンドライフ……どうしてこうなった……



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