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前回の投稿から半年近くたってますね・・・

これからもマイペース更新で行きます...。

あれから考え疲れて眠ってしまい、翌日起きた時には太陽が完全に真上に来た後だった。

まず、マールを中に呼んで、朝食をあたえて、自分も食べる。

血が滴るのでマールには外で食べさせた。

この袋のなかでは時間が進まないのだろうか。

とりあえず室内で新鮮なお肉をたべ、身支度を整えそとに出ると、そこには赤ちゃんとその向こうに座る猫がいた。


「これはいったいどういうこと?」


「これは昨日いった狩りをするってやつのこと?」


「に~」


人間だったらきっと笑顔で答えてそうな口ぶりで答える猫。

初めてゾンビに感情が見えたかもしれない。


「たしかに昨日狩りをして肉を持ち帰れって言ったけどまさか生きたまま連れてくるとは・・・。しかも人間の子供とかどっからさらってきたんだよ。」


その子供は泣きもせず私をただ見つめている。

ついこの前まで現役中学生だった私に子育てなど無理だ!


「ということで猫!これ返して来い!」


そうはいったが猫は首を縦にはふらなかった。

なぜマールなどの人間はいうことを聞くのに、この猫はいうことを聞かないんだろう。


「というか、猫って言いづらいな・・。お前変ななきかたするからヘンナって名前な。」


動物は人間と違って本能むき出しで生きているから、いうことを聞かないのかなど、いろいろ考えてはみたが、今はこの子供のことが問題だ。

よく見ると、青い髪の毛と瞳を持っている。


「この子はどうすればいいのよ・・・。マール、育児の経験は?」


意外にもマールはうなずいた。

21で子供でもいるのか、それとも弟か。


「でもマールはゾンビで・・・。教育には悪すぎるか。」


ヘンナにいくら言っても、この子供を親の元へは返すつもりはないようなので、しょうがなく育てることにした。

マールに頼もうかと思ったが、こいつは人の命令でしか動かない。

そんなやつに子供を任せるのは少し不安がのこる。

結局は私はしか残らないのだった。



「とりあえず、家の中に入れてあったかくすればいいのか。」


家の中に入り、ベッドに入れると布団をかけた。

その時子供はおむつをしていなかったので、創ってはかせた。

こんなときだけテレビのCMに感謝した。


「ヘンナはほかの獲物とってきて。今度からはちゃんと人間以外を!殺して!持ってきて。」


そういうとヘンナは森の深くへ駆けて行った。


「ほかに必要なものは・・、ミルクとか?」


こればっかりはイメージに時間がかかった。

どうやっても牛乳ばっかりでてきて困ったものだった。

しかし、牛乳を飲ませるわけにもいかず、何とか1時間かけて粉ミルクを創りだしたのだ。

すぐに飲ませようかと思ったが、そこで不思議な点に気が付いた。

子供が一向に泣かないのだ。

一度、死んでいるのかと思って様子を見に行ってみると、眠りもせずこちらを見つめ返してきた。


「君はなんで泣かないのかな?子供って普通泣くものじゃないのかなぁ」


ミルクは泣いてからでもいいか、と決めるとちょうどヘンナが狩りをしてきたようだ。



「ヘンナありがと。」


ヘンナが持ってきたのは、少し大きめの狐の死体だった。

今度はちゃんと殺してあってよかった。生きていたら本当にどうしようかと思った。


「そういえば、昨日ヘンナの肉食べたから、何かステータス変わってるかも。」


志桜里はその場でステータスを開く。


名前 天川 志桜里

種族 食人

性別 不明

所属 なし

職業 なし

年齢 不明

スキル 創 剣技 瞬発 暗視

特殊技能 種族変化


「スキルに暗視が加わってる。猫の目ってこと?まあ暗いところが見えるなら明かりがいらなくて便利だわ。」


その後、ヘンナがとってきた狐を適当にバラバラにして道具袋に入れておいた。

そろそろ道具袋を整理すべきかもしれない。


その後、あの子供を見に行くと、やはり泣いていない。

しかし、このまま何もやらないのもどうかと思うので、泣いていないがミルクをつくり哺乳瓶に入れて口元にもっていくと、少しだけ飲んですぐにやめてしまった。


「そんなちょっとでいいの?これが普通なのかな・・。てか生後何か月なの。」


おむつも確認してみたが、特に変化はなかった。


それから、水の貯蔵庫を創ってみたりして、忙しかったこともあり、子供にかまっていられなかった。

しかし、その間も泣きもせずただ寝ている。

夜ご飯を済ませたあとミルクを与えてみたが、今度は少しも飲まなかった。


「どうなってるんだ?」


子育て経験のあるマールにも聞いてみたが、彼もまたこのような子供はみたことがないという反応をしめした。

まあ、死んでも自分の責任じゃないしいいかと思い、その日は子供用のベッドを創り、そこに寝かせることにした。

念のため、マールはヘンナの小屋で寝てもらい、今晩は家に入らないように注意した。


翌日何者かに揺さぶられて目を覚ました。

初めはマールかと思ったが、彼は命令以外で行動することはできない。

それでは敵か!?と思い勢いよく起き上がると、そこには小さな青い髪と瞳を持つ少年がいた。


「え・・?どなたですか?」


「母さん何言ってるの?僕だよ、昨日拾ってくれた。」


「か、母さん?」


そういえば昨日の子供が見当たらない。

しかし、子供は一日じゃこんなに大きくならない。


「昨日の子供はまだ赤ちゃんだったよ・・。急にこんなに大きくなるはずがない。」


「そんなこと言っても大きくなっちゃたんだもん。母さん、なにか着るものくれない?」


よく見るとその子供は何も来ていなかった。

子供用のベッドに引いてあったシーツをはがして体に巻いているだけだった。


「母さんではないけど服なら・・・。」


そう言って道具袋にあった服を着せた。

本当にこいつはいろんな服を持っているな・・。何をしたいんだ?


「あんなに大きな生き物たちがいるなら、成長の早い人間もいるってか。」


よくわからないが、たしかに成長してしまったものはしょうがない。

敵意は見られないし、拾ってしまったからには捨てるわけにもいかない。

自分を納得させ、着替えを済ませる。

私が外に出ようとすると、着替えた終えた子供が付いてきた。


「え、いくの?」


「いかないの?僕お外の動物みたいな~」


少しわざとらしい感じもしたが、外に出す。

その子供走って猫小屋(?)まで行くと、そこで眠っていたヘンナに思いっきり抱き着いた。

ヘンナはまだ寝ていたのだろう。

驚いて飛び上がっていた。

マールは前日に言っておいた水汲みを終わらせて、地面に座っていた。

そういえばまだ名前を聞いていないと思い、猫小屋までいき、遊んでいるその子に


「ねぇ、君名前は?」


と尋ねた。

しかし、よくよく考えれば昨日まで赤ん坊だった子供に自分の名前がわかるわけない。


「僕に名前はないよ。必要ないからね。」


「それじゃあ呼ぶとき不便だな。」


「じゃあ母さんが僕に名前を頂戴!!」


「私が・・?」


「そう!この動物の名前を付けたのも母さんでしょ?なら僕にも頂戴!」


この子供に名をつけろとは、また難しい注文をされてしまった。


「センスがなくても文句はなしだよ~?」


「もちろん!母さんのつけた名前に文句なんて言わないよ。」


少し考えて、ぱっと思い浮かんだ名前を口にする。


「クレス、なんていうのは?」


「クレスか~!いい名前!!」


クレスは小さな声で自分の声をつぶやきながら、あたりを走り回った。

名前をもらったのがそんなにうれしかったのだろうか?


「あ、マールに朝ごはんあげるの忘れてた!」


道具袋からお肉を出し、座っていたマールにあげると、自分はそばに来て食べ始めた。


そうしているうちに日ものぼり、お昼が過ぎた。

ヘンナはただいま狩り中。

今日は何を狩ってくるのか少し楽しみだったりする。

相変わらずクレスは元気に走り回っている。

一度おなかはすかないのかと聞いたら、まだまだ平気、だそうだ。

彼は本当に人間なのか不思議に思えてきた。

もしヘンナが町からつれだしたなら、マールが元いたような騎士団が森にやってくるだろう。

しかし、今のところそのような気配はない。

とういうことは、この子供は一体どこから連れてきたのだろう。


「母さん!こっちに来て一緒に遊ぼう!」


「一緒に遊ぶといわれても、運動すると消費が激しいのよねぇ。」


少々おばさん臭い感想になってしまったがこれは結構大変な問題である。

あんまり食料があるわけでもないので、無駄遣いはできない。

かといってあまり狩りをさせると、ここら辺から食料がなくなる。

それもそれで困る。3人(4人?)分の食事を賄うのは楽ではないのだ。


「というか、何して遊ぶの?」


断ろうとすると、すごく悲しい顔をするのでしょうがなく付き合うことにした。


「うーん、母さんは何がしたい?」


「私はできれば日陰で寝ていたい・・。」


「そんなんじゃ体に悪いよ!じゃあ・・木登りしよう!」


そこらへんにたくさんはえている木に登ってどうしようというのだろうか。

そうこう考えている間にあの子は登り始めていた。


「落ちたら危ないよ~。」


下から見上げていると、あっという間に高いところまで登ってしまった。


「母さんも早くおいでよ~。気持ちいいよ!」


「いや、私は遠慮しとくよ。」


そういうとクレスは遠くを見つめて黙ってしまった。

そこからはどんな景色が見えているのだろうか。

すこしだけ気になったが、その横に並ぶ勇気はなかった。


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