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「なんで来た。」
一点を見つめる少年の目付きは鋭いものになっていました。
「その姿でも随分鼻が利くんですね……
流石。羨ましい限りです」
現れたのは一匹の狼でした。
睨み付ける少年など気にしてもいないように少年に話しかけます。
「お前等はいつも血の臭いがするから。隠れたって無駄だ」
「"お前等"?おかしな事を言いますね。俺達、の間違いでしょう」
「違うっ!俺は、お前等なんかとは…」
「ああそうだな。オマエはオレ達とは違う。特別だ。」
激昂した少年の頭には大きな耳、手には長い爪。
体は毛に覆われ、その姿は狼へ変わりました。
その少年に声をかけたのは、柑子色の瞳をもった、少年と瓜二つの姿でした。
「ああでも…感情に左右されやすいのは一緒か」
「っ!?なんでここに!」
「なんで?決まってるだろ。狩人が森に入るのは、獣を狩るためだからなァ
…さて、どっちから来る?」
「おっと、撃たれてはたまりませんね。ここは退散しましょう」
踵を返そうとした狼の足元に弾丸が放たれました。
「背中撃つような真似したくねーがなァ
獲物は逃がさないぜ?」
柑子色は本来オレンジとは読めません。
正しくはこうじいろ、と読みます。




