05
次の日。
赤ずきんは今日も森を訪れていました。
きょろきょろと辺りを見る赤ずきんの目に、見覚えのある琥珀色が写りました。
「レオ!」
琥珀色の持ち主――――振り返った少年は、嬉しいような、困ったような複雑な表情をしていました。
「やあ、トワ。1日ぶりだね。」
けれどそれも一瞬。赤ずきんに話しかけた少年は、いつも通り優しい笑顔でした。
だから。
赤ずきんはなににも気付かなかったフリをして、いつも通りに話しました。
「もう、レオ。昨日は一体何処に行っていたの?探したのよ!」
「ごめん。昨日は家族で外出したんだ。突然だったから俺も驚いたよ…」
そう言って苦笑する少年に、赤ずきんも笑顔を浮かべかけ、
「けが、してるの!?」
少年の服に赤黒い染みを見付けて驚きました。
「大丈夫、大したことじゃないから。すぐ治るさ」
「だめよ。ちゃんと手当てしないと。」
「俺は大丈夫だから」
「だめっ!だって心配だもの。…手当てくらい、させて?」
「…分かったよ。ありがとう、トワ。」
そう言って、少年はまた橙の瞳を細めたのでした。
「そうだトワ。昨日、沢山の花が咲いている花畑を見付けたんだ。」
「花畑?行ってみたいわ!」
赤ずきんは目を輝かせます。
「ここからそう遠くもないし、案内するよ」
少年と向かった先にあったのは、とても不思議な場所でした。
桜、桃、蒲公英、紫陽花、向日葵、秋桜、金木犀、薔薇、水仙、椿。
四季の花が、すべて咲いていたのです。
そのなかには、昨日の花―――夏に咲く筈の、ヘリクリサムもありました。
「素敵な場所ね!どんな季節の花もあるなんて。」
「気に入ってくれて良かった。トワ、君の名前が入る花は沢山あるね」
少年が指す先には、ホトトギス、スターチス、チューリップ。
どれも花言葉に永遠が入ります。
「そうね。でも私はこの花が一番好きなの」
トワが持つのは一輪のオレンジの花。
「貴方の目の色と同じだもの 。だから、これは私達の花よ」
それを聞いて少年は、照れくさそうに、嬉しそうに笑いました。
いつもより長めに区切ってみました。
読みやすい文章目指します。




