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この物語は『〝すき〟と〝好き〟』の続きに当たる物語であり、視点が変化しているものです。



 この物語の内容は俺の考えをつらつらと列べていくだけの物語です。


 過度な期待はしないでください。


 また、画面からは15cmは離れて見てください。






『彼女ができた!』



 今日、嬉しそうに友人が言ってきた。

 彼女ができたからといってなぜ報告したんだろうか?

 わざわざ報告するようなことでもないだろうに。

 だいたい、彼女ができたからといって何か変わるわけでもないだろう。

 変わるとしてもその彼女と遊ぶ時間が増えるとかそんなところだろうし。



「俺自身には全く関係のない話だよな」



 そもそも彼女を欲しがる理由もないしな。

 人が異性と付き合うのは簡単に言って子孫を残すため。

 少し難しく言えば、交配して自身のDNAを次の世代に残すためだ。

 そして安定して子孫を残すには親となった2人が協力して育てることが望ましい。

 つまるところ付き合うのは結婚して長続きするかのお試し期間だ。



「それに、〝好き〟とか言われても俺のどこがいいのか分からんし。面白半分の可能性が高いよな」



 実際、俺は女子に好きと言われたことがある。

 ただ、それは軽い口調な気がしたし、ほぼ毎日言われているので本気なのか分からないのだ。

 しかも、それをその女子の友人が囃し立てるのでさらによく分からない。

 だから俺は何も言えずどもるしか選択肢がないのだ。



「それに、他人ひとに対して何かを思ったりしないしな……」



 例えばみんなが知っている有名なアイドルが目の前にいたとしても。


 例えばみんなが知っている有名な本や曲の作者が目の前にいたとしても。


 俺自身はそこまで感動もしないし、嬉しいとも思わないだろう。

 何故ならそこにいるのは自分と同じただの人間なのだから。

 アイドルだから?

 作者だから?

 けっきょくは生きていて、息をしていて、食事をして、眠る。

 他の人間と何が違う?

 違いなんてどこにもない。

 だから俺は何も感じないし、何も思わない。

 仮に俺が何かを思うとしても、それはマンガやアニメでのこと。

 マンガやアニメほど個というものが確立した世界はない。

 例えばものすごくドジなキャラがいたり、とても頭の良いキャラがいたり、見た目が怖いのに裁縫が得意なキャラがいたり、と。

 個が強すぎるかもしれないが、分かりやすくて良い。

 だから、俺はアイドルの出てくる番組は好きじゃないし、見る気もない。

 なぜ顔が良いから、声が良いから、服のセンスが良いから、とそんな理由でテレビは取り上げるのか。

 そんなことをする暇があるのなら世界の悲惨な現状を撮影して世界にうったえかければ良いのに。

 不意に部屋のドアを開けて竜姫たつきが顔を覗かせる。



「お兄ちゃん、お風呂空いたよ」

「分かった」



 竜姫の言葉に俺は頷き、立ち上がる。

 そう言えば、竜姫は彼氏を作ったりしないのだろうか?

 そんなことを考えながら俺は着替えを片手に風呂に向かった。











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