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カスタムソルジャー  作者: バームクーヘン
第1章 槍騎士覚醒
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第1話 伝説の始まり

西暦2100年

世界中で、ある玩具が大流行していた。


カスタムソルジャー。

手の平サイズの小さなロボットだ。


これをグローバルキューブ、通称Gキューブと呼ばれるボックスの中で戦わせるカスタムバトルが全ての世代に大ヒット。


安全な、次世代の玩具が進出したのだ。





「ヤマトー!起きなさーい!」


ヤマトは一階から聞こえる母親の声で目が覚めた。


身支度をして、鞄を持って階段を駆け降りる。


オレンジの私服は地味な色の栗色の髪とは対称だ。

前髪にあるクセのあるハネ毛は昔から直らない。


「母さん、おはよう」


ヤマトは既に朝食の並んでいる机の前の席についた。


二階から姉と父親が降りて来る。


姉は19という歳で既に180cmを越す高身長で、来年中学生になるのに未だ140を切っている自分が情けなくなる。


そんな羨む眼差しに気付いたのか、姉はフフフと笑う。


「大丈夫よ。アンタもそのうち伸びるって」


「本当かなぁ・・・」



「ヤマト。お前に渡すものがある」


父親がヤマトにダンボールの小包を差し出す。


ヤマトはそれを受けとった。

宛先が、確かに翼ヤマト。自分になっている。



「あー、そういえばアンタ限定ロボの抽選に応募してたっけ」


姉は頭をポリポリ掻きながら思い出す。


ヤマトはワクワクしながら開封していく。一名限定の超レアモノのロボが手に入る。

それだけで、気持ちが高ぶっていくのを感じた。

そして、ついに目当ての物がその姿を見せた。



「これが・・・サンソルジャー」


ヤマトはカスタムソルジャーの入った箱をマジマジと見た。

中にはパッケージの通りの姿をしたロボが入っているのだろう。

ヤマトは今すぐ見てみたかったが、そろそろ出発しなければ学校に遅刻してしまう。


ヤマトは朝食を軽く食べると、カスタムソルジャーの箱を詰めてリュックを背負って家を出る。


「じゃあ、行って来ます!」


「はい。いってらっしゃい」


母親に見送られながら学校へ向かって走り出す。








ヤマトは自分の教室に入ると、二人のクラスメイトの元へ駆け寄った。


二人の生徒はヤマトに気が付いたのか、笑顔で手を振る。


一人は小さく黄色い帽子を被った青い髪の真ん丸な少年。

もう一人はベージュの髪をした女の子だった。


「おはよう。カジオ、アム!今日は凄いニュースがあるんだ!」


「なになに!?何かあった!?」


真ん丸な少年、カジオは身を乗り出して尋ねた。

アムも興味津々で耳を傾ける。


ヤマトは二人にサンソルジャーの入った箱を見せた。

パッケージを見て、二人は驚いた。


「これ、抽選限定のサンソルジャーじゃないの!」


「すっげー!ヤマト、抽選に当たったんだ!」


ヤマトは嬉しそうに頷く。

そして、改めてパッケージをまじまじと見つめる。



「これで、僕もカスタムソルジャーで遊べるんだ」


ヤマトはサンソルジャーのパッケージを見つめながら声を漏らす。

アムは感慨深げに頷いた。


「ヤマトったら、自分のロボはワンオフ機じゃなきゃ嫌だって聞かなかったもんね」


「これで、ヤマトも自分だけの専用機かー。羨ましいよ」


カジオは雑誌をパラパラめくりながら溜め息を漏らす。

本をパタンと閉じると、カジオはヤマトとアムに話し掛けた。


「でもさ、いつかなってみたいよなー。テロメア姉妹やジェネ、ピタ・ラス兄妹みたいな世界的プレイヤーに」


カジオの言葉に、ヤマトは頷いた。

世界大会の上位入賞。それはヤマトが昔から夢見ていた憧れだった。



「じゃあ、早速そのサンソルジャーを見てみましょう!」


アムが提案すると、ヤマトとカジオは頷いた。


「じゃあ放課後に、いつもの河川敷に行こう!」


ヤマト達は、早速未だ見ぬサンソルジャーに、期待を膨らませるのだった。

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