異世界地図
主人公が目を覚ますと、玉座の間。
「おお、勇者様。転生されましたね」
「きたきたきた! 異世界転生!」
「……で、剣とか魔法の前に確認なんだけど、地図ある?」
家臣は少し戸惑いながら巻物を広げた。
「おおー、世界地図……って、これ地球じゃん!」
「ユーラシア、アフリカ、日本列島。
普通すぎるだろ。帰れるんじゃね?」
主人公の指が止まる。
「……いや待て」
「オーストラリアが四国の形してる!!」
家臣「勇者様?」
「しかも四国サイズじゃなく、
オーストラリア面積を保った四国形状だ!」
「でっかい讃岐山脈あるぞこれ!」
「じゃあ四国は!?」
「……あった!! 黒海の位置にある!」
「黒海の形してるのに面積は四国!!」
「細長くて入り組んだ、小さい黒海だ!」
「港ひとつ作るだけで大工事だろこれ!」
家臣「勇者様、落ち着いてください」
「まだある!」
「フロリダがイタリアの形だ!」
「しかも面積はフロリダのまま!」
「めちゃくちゃ寸詰まりのイタリア!
ブーツというより安全靴だろ!」
「わかったぞ……この世界、
場所と形は入れ替わるが、面積は元のままなんだ!」
「なんだその謎ルール!」
「神様、地理にこだわり強すぎるだろ!」
家臣「勇者様。そろそろ魔王討伐のお話を……」
「そうだね、もう地図はいいや」
――この時、勇者はまだ気づいていなかった。
マダガスカルとスリランカも、
互いの形だけを交換していたことに。




