episode No.6 兄は妹を守るもの【皇太子目線】
しばし時は遡り、
皇太子過去編を挟み、皇太子目線が続きます。
読みにくかったらすいませんm(*_ _)m
「皇太子殿下、本当に行かれるのですか!もう後戻りは出来ませんよ!」
横から口を出すは護衛兼侍従のフェミニ。
猫獣人で剣も格闘術、護身術など王族騎士団以上に一流だ。
「私は行く!後悔はしない!」
「何故この様な暴挙に…殿下!」
塔の階段を一気に駆け上がる俺の後を追ってくるフェミニ、必死になっている俺を見てか止めようと思えば止めれるのにそうしない。
兄は妹を守るものなんだ、もう誰1人奪わせない。
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オザリナ帝国で産まれ何時しか皇太子になる事が決定していた。
物事つく前から毎日、朝から晩まで勉強と稽古で、披露式の後からは友人候補とよばれる貴族の子息達がたまに来るが、まともに遊ぶこともしない上に勉強も魔法も剣も討論でさえも本気にならないで褒めてばっかりいる、本当に面白くない日々だった。
12歳の誕生日の日、俺が13歳になれば他の兄弟達と会わせてくれると父上と約束したのに13になる已の所で、俺と妹を残し全ての兄弟を殺した。
俺と父上との間の約束なんてそんなものなのかとこの時実感した。
母上は争わない為よと言っていたが、魔法に固執している父上の子で魔力を持ってるのは俺と妹だけだと大臣や貴族が噂してるのを俺はハッキリと聞いたのにだ。
元々兄弟達と会うのを楽しみにしていたんだ。殺されなかった妹、魔法を扱える妹、会ってみたい。俺の興味が妹に移るのは何も不思議な事ではないと思う。
父上に期待しても無駄に終わる事はわかっていた、だから母上に妹に会いたいと頼んだが凄い勢いで叱咤された。
父上には言うなとも言われたが元々期待していないので頼む気はない、それでも口うるさく言っていた。父上だけではなく母上も俺に興味などなく必要なのは魔力がある物言わぬ皇太子だったのかと酷い気持ちになった。
名だけの皇太子、僅かな望みすら叶わず城にも入れない場所が沢山あり外にも行けず妹にすら会えない。
自室に籠りやるせなさに涙した。
自身の境遇を目の前にし、これから先同じことを繰り返し生きていかなければいけないのかと思うと何もする気になれなくなっていく。
勉強も稽古もやる気が出なくなり、食欲も減り体重も減っていく。元々肉類などは苦手なのに更に肉類ばかり増やされ、ついには父上と母上との晩餐の日お二人の前で嘔吐した。
叱咤を受けた上に初めて父上に手をあげられ静養という名の自室謹慎の銘を受けた、それで良かった何もせずに済むからだ。
自室で過ごすようになり益々食事をとらなくなった。乳母が気を使い持ってきてくれたかつて大好きだった冒険譚の童話も俺には届かなぬ儚い夢にしか思えず読む気は起きない。
貴族から届く見舞いの品も開けずに溜まっていくのを眺める日々が続いた。
そんなある日、いつもは忙しく厳しい母上が朝の目覚めから傍に付いていてくれた。
乳母も侍女もメイドも部屋にいなかった。
やった事はないと思われた看病も独特だけれど慣れた手つきでしてくれた。
城のものとは思えない食事も不思議と喉を通り美味しく感じた。
その様子を母上は見つめ真剣な眼差しで俺に妹を見れたら元気が出るかと問うてきた。正直な所は分からない、けど見てみたいですと答えた。
母上はにこりと笑いガウンを着せ俺を抱きドアからでる。城はいつもよりずっと静かで人が見当たらず不気味に感じたが母上は気にせず歩いて行く。
城を抜け立ち入り禁止と言われた裏庭を抜けその先の湖にでて俺と母上とでボートに乗り。母上の風の力で動き出しあっという間に地面は遠くなった。
あれをご覧なさいと指差す方向、裏庭の高い木々に隠されるよう城の裏にある低い塔、あそこに貴方の妹がいると言った。
よくよく見てみるとてっぺん近くにある大きなまあるい窓、あちら側に座っている長い髪の人と赤ちゃんがいた。
思わず大きな声であそこいます!と言うと母上は驚いた顔をして魅入っていた。遠くてぼんやりとしか見えなかったが確かに妹はあそこに存在した。
2人共とても綺麗に感じた、赤ちゃんに綺麗という言葉は似合わないけれど綺麗で心惹かれた。会えなかったけど見れただけで凄く嬉しかった。自然に笑顔になった俺を撫でいつかちゃんと会える、それまで待っていてと言ってくれた、それに兄は妹を守らないととも付け加えて…。




