episode No.0
よろしくお願い致しますm(_ _)m
しばらく暗い話になります。
月明かりに照らされてぽかぽか気持ちが良い。
病であった時とは違う身体の感覚、息苦しさもない。わたくしはこんな小さかっただろうか病で痩せてしまったのかしらと手を明かりに照らしてみる…ちいさい?!赤子の手だわ。夢中になって手を見ていたらカシャンカシャンと音がし、
「…私の子、私の子よ。」
プラチナブロンドの女性がベットの傍らで項垂れはらはらと泣いていた。わたくしは病からこの世を旅立った筈なのにこれは一体…。
「あの人と私の愛し子よ…。」
震えながらもやさしい手で額に触れられる。
ピカッと光った様な気がしたと思えば温かいものが流れ込んできた。浮遊感と温かみでふわふわしてしまう。これが愛情というものなのかしら。
わたくしにとってはこの様な温かい感覚を向けられたのは前世の曾祖母以来だった。実の母親になんて見向きされたことも無かったのだ。
大粒の涙がわたくしの顔に落ち、宝石の様なエメラルドの光り輝く瞳が私を愛しそうに見つめる。わたくしは貴方様の子に産まれ変わったのね。
ドンドンドン
「メリア!はよう世の御子を見せぬか!」
「は、はい。」
メリアと呼ばれたわたくしの今世の母上がビクつかせ震えながら頭をたれる。
乱暴に開けられた扉からは数人の者たちを従え、陛下と呼ばれながらドカドカと王らしき風貌の男が母上を無視してわたくしに向かって歩いてきた。
「皇女様ご誕生おめでとうございます陛下!」
「宝石の様な瞳、期待出来ますな陛下!」
周りの者たちが口々に王を褒めそわす。
「先ず魔力確認である。はよう用意せぬか!」
「ははっ」
前世にも魔法はあった、けれどもとてもではないけれど産まれたばかりの赤子にする事では無い、この国は何かおかしい。
緊張した面持ちでわたくしになにやらあやしげな玉をかざしまじまじと見る魔法士達。
「皇女様の数値は… 。」
「数値はなんだ!」
「皇太子殿下以上です!」
「なっ!役たたずめがっ!」
大きな手で母上を殴りつけた陛下とよばれる男。その拍子にウグッという苦しい声、母上とジャラジャラと鎖の様なものが吹っ飛んでいく。まさか…まさか…母上から聞こえた金属音は繋がれたものだと言うの?
「残念だが貴様には処罰だメリア。」
陛下とよばれたその男は大事そうに持っていた禍々しい杖を母上に向けいたぶった。
雷のような、呪いのようなものに身を焼かれそうな母上が声にならない声で泣き、
魔法士達も目を瞑り震えていた。
わたくしには、わたくしには、
優しい母上すら助けることが出来ない。
「妖精族の王女ではないのか!?」
「そ、そうでございます陛下
妖精族の王の子が市井に下ったと聞きつけ
連れて参った次第でございます。」
「何故だ!何故っ?あんな魔力程度なのか!」
「それは私めにも…。」
「世の御子が30人、魔力持ちが皇女含め2人とは!全く興ざめだ。」
「マキレイとメリア以外殺せ。」
「はっ」
「ただ皇女には微力ながら魔力がある。名を!」
『オザリナ・ミイレ・マーズ・カタリーナとす!』
「「「「「はっ」」」」
傷だらけになった母上、ああわたくしがもっと大きかったら。許さない、絶対許さない。
「オギャーオギャー」
許さない許さない許さない。
あんな父も国も許さない。




